人間椅子(江戸川乱歩)の最後は?気持ち悪い小説のあらすじ(ネタバレ)
やあやあサイ象です。
「感想文の書き方」シリーズも今回で
ついに第50回に到達!
「あらすじ」暴露サービスとしては
第27弾となります。
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日本一気持ち悪い小説ともいわれる、
あの江戸川乱歩の代表作『人間椅子』
(1925)で参りましょう。
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内容はもう、タイトルが半分以上、
暴露しちゃってるといっていいでしょう。
ズバリ、椅子になっちゃった人間()。
え? それなら自分も空想したことある?
ハイ、空想だけなら子供でもしそうですね。
ですから、読みどころは、それをどう
面白い物語へと膨らませ、「文学」として
鑑賞にたえるものへと仕上げているか、
といったところになるでしょう。
さて一口に「あらすじ」をといっても、
話の骨子だけでいいという場合から、
読書感想文を書くんだから解説つきの
詳しいものがほしいという場合まで、
千差万別でしょう。
そこで出血大サービス((((((ノ゚🐽゚)ノ
「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の2ヴァージョンを
用意しましたよ~~(^^)у
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ごく簡単なあらすじ(要約)
まずは「ごく簡単なあらすじ」を予告編ふうに。
美しい閨秀(女性)作家の佳子は、
ファンレターに目を通すことを仕事前の
日課としていたが、ある朝かなりの
分量の原稿用紙を綴じたものに出会う。
「奥様、」と呼びかけるその手紙は、
こんな物語を書きつづっていた。
私は醜い容貌の椅子職人だが、
大型のアームチェアを細工して、
そこへ入って何カ月も生きてきた。
最初は外国人向けのホテルのラウンジに
据えられて盗みをし、また様々な人体
抱いて「奇怪な快楽」を知った。
やがて道具屋で競売にかけられ、
実は今、あなたが愛用している
椅子こそ私なのだが……
ファンレターに目を通すことを仕事前の
日課としていたが、ある朝かなりの
分量の原稿用紙を綴じたものに出会う。
「奥様、」と呼びかけるその手紙は、
こんな物語を書きつづっていた。
私は醜い容貌の椅子職人だが、
大型のアームチェアを細工して、
そこへ入って何カ月も生きてきた。
最初は外国人向けのホテルのラウンジに
据えられて盗みをし、また様々な人体
抱いて「奇怪な快楽」を知った。
やがて道具屋で競売にかけられ、
実は今、あなたが愛用している
椅子こそ私なのだが……
と、まあそんな世界ですね。
え? 最後(ラスト)はどう結末を
つけられるのかって?
ハハハ、それは言えませんよ。
ネタバレになりますから;^^💦
というわけで、これから「やや詳しい」
ヴァージョンの「あらすじ」を書いて
いきますが、どうしてもネタバレは
避けられませんので、結末を知りたく
ない人は絶対に読まないでくださいね。
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やや詳しいあらすじ
では参りましょう。ところでこの小説、構成がやや複雑で、
終わりの方では「奥様…」と呼びかける
その長い手紙を読み終えたばかりの佳子に
2通目の手紙が届き、その内容が小説
全体の「落ち」になる……
という仕掛けになってるんですね。
そこで、こちらの「やや詳しいあらすじ」
では、このやや長い1通目の手紙を私の
判断で「起承転結」の4部に分け、
「結」の後半に2通目の手紙の内容を
含ませる形にしていますので、
ご了承ください。
「 」内は原文の引用です。
💺【起】
私は親のあとを継いだ椅子職人で、「世にも醜い容貌の持主」。
できあがった椅子の坐りぐあいを
たしかめる時に、いろいろな妄想を
するようになっていたが、ある
「奇怪きわまる妄想」を実際に
やってみようと思い立つ。
大型のアームチェアに適当な細工を
ほどこし、そこへ二三日はいり
つづけても不便を感じず、椅子として
生きる特殊な人間になろうというのだ(
この椅子を実際に完成させ、さっそく
底の出入り口からもぐりこんでいると、
やがて荷車で出荷され、どこかに
据えられたが、それは外国人向け
高級ホテルのラウンジだった。
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💺【承】
この奇妙な行いの第一の目的すなわち「盗み」はまんまと成功し、たんまりと
もうけて喜んでいたが、やがてその十倍も
二十倍も私を喜ばせる「奇怪きわまる
快楽」を発見する。
すなわち肘掛け椅子と一体になった
人間として、人を抱くことの
「不思議千万な感覚」であり、相手が
女性の場合はそれが「椅子の中の恋!」
──「暗やみの世界の恋」「悪魔の国の
愛欲」──と化していく。
当初は、盗みの目的を果たせば退散
するつもりであったが、やがてこの
「奇怪な喜び」から抜けられなくなる。
数カ月もの間、人間の椅子として多様な
人体を体感し、妄想をたくましく
し続ける(((゜д゜;)))。
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💺【転】
やがてホテルの経営方針の変更によって、私は道具屋の手に渡り、
そこからある官吏に買い取られて、
立派な洋館の書斎に置かれる。
書斎を主に使うのは若く美しい夫人で、
それ以来、1か月間、彼女は「その
しなやかなからだ」を私の上に置いて
著作に没頭し続ける。
私は彼女にはじめて「ほんとうの恋」を
感じ、「私の存在を知らせようと、
いろいろ苦心した」。
彼女の側でもその愛に報いるように
感じられて*:・( ̄∀ ̄)・:*:
私の情熱は日々に燃え、ついには
「ひと目、私の恋人の顔を見て」
言葉を交わせたら死んでもよい、
と思いつめる。
💺【結】
奥様、とっくにお悟りでしょうが、その「恋人」とは、あなたです。
たった一度お逢いしたいという
私の一生のお願いをお聞き届けくださる
場合は、合図をお願いします。
👉1通目の手紙はここで終わり、以下は
それを読み終わったところに届く
2通目の手紙ということになります。
私は先生の愛読者で、別封の手紙は
ご批評をいただきたい私の創作です。
原稿にはわざと省きましたが、
題は「人間椅子」とつける考えです。
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構成の手際か、奇想のすごみか
どうでしょう。楽しんでいただけましたか?
え? 気持ち悪いだけ(゚_゚i)?
まあ、そういう方もおいででしょうね。
それでも、もしこの作品で読書感想文や
レポートなどの文章を書こうとするので
あれば、冒頭でも述べましたように、
「人間椅子」というこの奇想をこんな
面白い物語へとこしらえ上げた乱歩という
作家の手際、テクニックを見極めていく、
というのが一法でしょうね。
その巧みな手法の一つが、この気味悪い
手紙を読み終わったところに2通目が届き、
それが、全体の仕掛けをバラす、
鮮やかな「落ち」になっているという
見事な作品構成ですよね。
あるいは構成や手法より、もっと「奇想」
そのもの、その快楽について、あるいは
主人公の切ない愛について考える……
というのも、もちろんアリでしょう。
👉その場合は、こちらの記事で具体的な
方法を紹介していますので、
ぜひ覗いてみてくださいね。
・江戸川乱歩 人間椅子で感想文💺薄革を通し吸収する美・力・愛
👉乱歩といえば、超問題作の『芋虫』や
『屋根裏の散歩者』『陰獣』なども必読。
そのほか乱歩作品をめぐっては、
かなりの記事を揃えていますので、
どうぞ覗いてみてくださいね。
・芋虫(江戸川乱歩)のあらすじ:伏字だらけの問題作!内容は?
・江戸川乱歩 陰獣のあらすじ:ネタバレ御免で結末まで
・江戸川乱歩 孤島の鬼はBLの世界)))ネタバレありで結末まで
・屋根裏の散歩者(江戸川乱歩)のあらすじ:ネタバレ御免で探索
・パノラマ島奇談[奇譚]乱歩最高作(?)あらすじをネタバレ御免で
・黒蜥蜴(江戸川乱歩)のあらすじ:三島由紀夫戯曲の映画も鑑賞
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「探偵型」と「犯罪者型」と両方面の
才能を併せ持ち、自在に使い分けた
偉大なエンターテイナー、乱歩。
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👉当ブログでは乱歩以外にも日本と世界
多様な文学や映画の作品について
「あらすじ」や「感想文」関連の
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参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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