やあやあサイ象です。
「感想文の書き方」シリーズもはや第37回。
「あらすじ」暴露サービスとしては第14弾。
今回は日本の殻を破って近代中国の文豪
魯迅の短編小説『故郷』(1921。
『阿Q正伝・狂人日記』竹内好訳、
岩波文庫 👇 所収)で行ってみます。
さて、一口に「あらすじ」を、といっても、
話の骨子だけでいいという場合から、
読書感想文を書くんだから
多少詳しくないと…という場合まで、
千差万別でしょう。
そこで出血大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ
「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意しましたよ~(^^)у
(どちらも上記、竹内好訳によります)
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ごく簡単なあらすじ(要約)
まずはぎゅっと要約した「ごく簡単」ヴァージョンのあらすじ。
私が20年ぶりに帰郷したのは、古い家を
明け渡して、母と甥の宏児(ホンル)を
連れて私の現住所へ引っ越すため。
母の話から、年末や節季だけ来ていた
雇い人の息子、閏土(ルントー)と
遊んだ日々の記憶が鮮やかに
よみがえる:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
数日後には、その閏土が訪ねて来るが、
胸がいっぱいになって挨拶もろくに
できないうちに「旦那さま!……」と
彼が言い、「悲しむべき厚い壁」に
距てられたことを感じる(*_*)。
閏土が連れてきた息子、水生
(シュイション)はじきに宏児と
仲良くなり、遊び出す。
貧困にあえぐ閏土に、自分らの
不用品はすべて与えることにして、
私は母と宏児とともに旅立つ。
遠ざかる故郷を名残り惜しくは
思わないが、宏児や水生らの世代には、
私たちが経験しなかった「新しい
生活」をと希望する。
希望とは、もともと地上になかった
道のようなもので、歩く人が多ければ、
それが道になるのだ。
明け渡して、母と甥の宏児(ホンル)を
連れて私の現住所へ引っ越すため。
母の話から、年末や節季だけ来ていた
雇い人の息子、閏土(ルントー)と
遊んだ日々の記憶が鮮やかに
よみがえる:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
数日後には、その閏土が訪ねて来るが、
胸がいっぱいになって挨拶もろくに
できないうちに「旦那さま!……」と
彼が言い、「悲しむべき厚い壁」に
距てられたことを感じる(*_*)。
閏土が連れてきた息子、水生
(シュイション)はじきに宏児と
仲良くなり、遊び出す。

貧困にあえぐ閏土に、自分らの
不用品はすべて与えることにして、
私は母と宏児とともに旅立つ。
遠ざかる故郷を名残り惜しくは
思わないが、宏児や水生らの世代には、
私たちが経験しなかった「新しい
生活」をと希望する。
希望とは、もともと地上になかった
道のようなもので、歩く人が多ければ、
それが道になるのだ。
どう解釈すべき?
どうでしょう。どんな話か、だいたいわかりましたよね?
え? でもなんだかなあ……
主題はなんなのか、どう解釈していいのか、
そのへんがわからん?

そうですねえ。
そのへんを考えるには、もう少し詳しい
内容を知る必要があるでしょうね。
それでは主題に入っていくために、
キーワードや重要と思われる部分を
私の解釈による判断で入れ込みながら、
「やや詳しい」ヴァージョンのあらすじを
これから書いていきます。
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🚢 やや詳しいあらすじ
では始めましょう。原作に切れ目はありませんが、私の判断で
「起承転結」の4部に分けて記述しますね。
「 」内は原文(上記翻訳)の引用です。
🚢 【起】
20年ぶりに帰郷した私は、かつてのように美しくない故郷に落胆する。
帰郷の目的は古い家を明け渡し、母や
甥を連れて私の現住所へ引っ越すこと。

いっしょに住んでいた親戚たちは
もうおらず、8歳になる甥、宏児
(ホンル)だけ飛び出してくる。
「閏土(ルントー)がおまえに
会いたがっていた」と母がいう。
🚢 【承】
突然、私の脳裏に「不思議な画面」がひろがる。
銀の首輪をつるした12~3歳の閏土が
鉄の刺股(さすまた)で「チャー」
(アナグマに似た動物)を突くが、
チャーは身をかわして彼の股を
くぐって逃げる。

さすまた

これはアナグマですが…
閏土は、年末や節季にだけ来る雇い人の
息子で、毎年、私は彼を楽しみに待ち、
楽しく遊んだものだ。
「おいらとこの砂地では『跳ね魚』が
いて、蛙みたいな二本足で跳ねるんだ」
などと話す閏土の心は「神秘の宝庫」
だった。
このように思い出がよみがえることで、
私はやっと美しい故郷を見た思い。
宏児と話していると、昔「豆腐小町」と
呼ばれたこともある豆腐屋の楊(ヤン)
おばさんも現れ、私を金持ち扱いする。
親戚との対応に追われながら、
荷ごしらえに4、5日を費やす。
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🚢 【転】
ある寒い午後、閏土が訪ねてくる。「ああ閏ちゃん――よく来たね……」
胸がいっぱいで、言葉が続かないで
いるうちに「旦那さま!……」と
閏土が言い、私は絶句する。
「悲しむべき厚い壁が、ふたりの
間を距ててしまった」と感じて。

閏土が紹介した五番目の息子、水生
(シュイション)は「まさしく
三十年前の閏土」で、じきに宏児と
仲良くなり、遊び出す。
暮らし向きの過酷さを語る閏土に、
持って行かぬ品物はすべて与えることで
母と私は合意する。
🚢 【結】
<9日後、私は母と宏児をつれて旅立つ。
船中で宏児が「ぼくたち、いつ帰って
くるの?……だって水生が遊びに
来いって……」と言うので、
私と母は胸を突かれる。

故郷は遠ざかるが、
名残り惜しくはない。
希望をいえば、宏児や水生らの
世代には、私たちが経験しなかった
「新しい生活」をもってほしい。
希望? しかしそれは閏土が所望した
香炉や燭台と同じく「偶像」に
過ぎないのではないか。
希望はあるともないともいえない。
それは地上の道のようなもので、
「もともと地上に道はない。
歩く人が多ければ、
それが道になるのだ。」
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感想文、どうします?
さて、これでもう主題もあきらかですよね。要するに、結びの部分で「結論」を
つけてくれているわけですからね。
え? ストーリーと主題は一応
わかったけど、感想文になると
どう書いていいかわからない?
👉そういう人はこちらの
記事で書き方をじっくり
勉強してください。
・故郷(魯迅)で読書感想文どう書く?【600字の例文つき】

ん? 書けそうなことは
浮かんできたけど、でも具体的に、
どう進めていいものか……( ̄ヘ ̄)?
それなら、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを覗いてみましょう。
👉当ブログでは、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。
参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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