サクラさん
宮沢賢治の『よだかの星』
で読書感想文を書こうと
思うんですが、何を
書いたものか…

ハンサム 教授
読んでいてグッと
来たところは?

サクラさん
最後の最後、よだかは
空中で体が燃えて「青い
うつくしい光」になり、
やがて星になるんですが、
むしろその前で私は
泣けました(😿)



つまり肉体の死を前にして、
くちばしは横に曲がっては
いても「たしかにすこし
わらっておりました」と…

ハンサム 教授
感動しますね~(😢)

でもそれ、何を喜ぶ
笑いなんでしょう。

サクラさん
「つらい、つらい」生から
これで解放されるという
安堵ではないでしょうか。

ハンサム 教授
何がつらかったのかな?

サクラさん
そこで微妙に揺れるん
ですが、一つは彼より強い
タカ」などから差別・
侮辱され、存在を否定
されるつらさ。

もう一つは、その自分も
より弱い虫たちを食べ、
苦しめなければ生きられ
ないというつらさ。

ハンサム 教授
それなら主題は2つ
ある…と?

サクラさん
そう思えます。

ハンサム 教授
ええ。どちらも重要ですし、
感想文に書きやすい
テーマでしょうね。

が、両方とも取り入れる
のはむずかしいので、
まずはどちらか一方に
絞るのが得策です。





というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第233回は、宮沢賢治の
童話『よだかの星』(1921年頃執筆)で
行ってみましょ~。

原文全文は、多数出ております文庫本
(英訳もあり)・絵本でご覧になれます。

その例がこちら。
   👇







字を読むのがイヤだという人はこちらの
動画で耳からインプットしてもらっても
いいんですが、全文が読まれているわけ
ではないので、その点は要注意です。👇





感想文の例(800字)

はい、ストーリーが確認できましたら、
さっそく感想文に取り組みましょう。

まずはハンサム教授が高校生に照準を
合わせて試作した、字数制限800字
(400字詰め原稿用紙2枚)の場合の
感想文をお目にかけます。

これ、高校レベルのコンクールなどで
勝ち抜けるだけの内容を狙っていますので、
中学校や小学校のみなさんには多少、
高度かもしれませんが、参考にはなる
はずですから、ぜひお読みください。


 『よだかの星』を読んで私は宮沢賢治の
別の童話『銀河鉄道の夜』を思いだした。

その中で語られる物語の中のサソリと
よだかのたどる運命とが、ほとんど
同じだと思ったのだ。

つまりサソリはイタチに追われて
死にそうになったとき、自分も虫たちを
食べてきたことを反省し、「どうして
わたしはわたしのからだをだまって
いたちにくれてやらなかったろう」
と考える。

自分より弱い動物を食べてきたことを
自分に許せなくなってしまう点に
おいて、よだかはこのサソリと同じで、
また焼け死んで星になるという結末も
同じである。

    

 この二匹の動物の考えはたいへん
美しいもので、宮沢賢治が何度も
表現したかった思想であるに違いない。

とはいえ、それは本当に実践できる
思想なのだろうか。

たとえ完全な菜食主義者になったとしても、
植物の生命を奪わずに生きていくことは
不可能ではないだろうか。

 ともかく「生きることで弱者を苦しめ
つづけるよりは、死んでしまいたい」
という志向において、よだかとサソリと
一致しているし、より強いタカやイタチに
苦しめられていたという前提も同じである。

だが、この二匹はもちろんまったく
同じというわけではない。

最大の違いは、サソリの場合には
詳しく語られていない、強者による
不当な差別や侮辱が『よだかの星』では
徹底的に描かれていることだ。

神にもらった「よだか」という名前まで
変えろというに至っては、これまさに
存在理由の否定であり、「生きるな」
と言うに等しい。

  

 後半の身を焼いて星になる運命が
サソリの場合の何倍も強い力をもって
私たちに迫るのは、前半にこの「つらい」
物語が置かれているからこそなのだろう。

またタカがしたような弱い者いじめが
いかに過酷なことであるかを読者に
教える効果も大きいと思う。

いじめを受けた経験があり、逆に
いじめたこともないとはいえない
私自身にとって、ひとごとでなく
大いに反省させられる童話だった。
          (786字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦





世界がぜんたい幸福にならないうちは…

ところで上記感想文の筆者が、よだかと
サソリを通して作者が表現しているものと
考察する思想は、たしかに宮沢賢治自身が
発信しているメッセージだと言い切って
いいのでしょうか。

つまり「生きることで弱者を苦しめ
続けるよりは、死を選びたい」という
「自己犠牲」を称揚するような、
宗教的とも見える信条告白…


賢治の作品をあれこれ読んでいくと、
どうも本気で考えていたらしい…
ということになりそうなんですね。

たとえば『銀河鉄道の夜』でも、中盤で
例のサソリの話を聞いていた主人公の
ジョバンニは、ラスト近くで自分を
サソリに重ねて、こう思います。

僕はもう、あのさそりのように
ほんとうにみんなの幸いの
ためならば僕のからだなんか、
百ぺん灼(や)いても
かまわない。


        

そして、ジョバンニのこの考えは、
あの有名な詩「雨ニモマケズ」でも
主張されているようですし、
「農民芸術概論綱要 序論」という
文章に書いていたこの信条とも
合致します。

世界がぜんたい幸福にならない
うちは個人の幸福はあり得ない。


本気でそう考えるのだとすると、
その人の「個人の幸福」はもう永久に
「あり得ない」ということになりますよね。

だってその人も「世界」の一部であり、
彼が幸福でないとすれば「世界」全体が
幸福だとはいえないわけですから。

    

この意味では、言葉通りに受け取ると
堂々巡りの自滅の思想だという
批判もできるかもしれません。

さらに高度な感想文に挑戦したい人は、
そういった批評文を書いてみるのも
面白いのではないでしょうか。





まとめ

さあ、これでもう書けますよね、
自分なりの『よだかの星』感想文。

上記の試作感想文でもやっているように
『銀河鉄道の夜』など、宮沢賢治のほかの
作品を持ち込んで照らし合わせる
というのもウマい方法です。

もちろんほかの作品を一つも読んでいない
という場合は仕方がないわけですが、
そういう人も、この記事を通して
『銀河鉄道の夜』やそのほかの宮沢賢治
作品に新しい興味の目を見開かれたなら、
当方としても大きな喜びです。

『銀河鉄道の夜』をはじめ、
『よだかの星』に通ずるところの
ある宮沢賢治作品をめぐっては
こちらの記事もご参照ください。

宮沢賢治 銀河鉄道の夜のあらすじ 簡単/詳しいの2段階で

銀河鉄道の夜で感想文🌌宮沢賢治が伝えようとしたことは?

やまなし(宮沢賢治)のあらすじ 🍐謎だらけの童話を解説

宮沢賢治 やまなしの伝えたいこと 🍐クラムボン/魚/酒の意味は?

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注文の多い料理店(宮沢賢治) 読書感想文の書き方◎猫の視点から

宮沢賢治の”悲恋”童話作品:土神と狐~あらすじと感想文~


そのほか賢治作品をいろいろ
見てみたい場合はこちらから
探してみてください。

☄宮沢賢治の本:ラインナップ☄



ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
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参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

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