老人と海 読書感想文【高校生用600字の例文】作者の伝えたいことは?
サクラさん
『老人と海』で読書
感想文を書こうと
思うんですが、
どう書いたものか…
感想文を書こうと
思うんですが、
どう書いたものか…
ハンサム 教授
読んでいてグッと
来たところは?
来たところは?
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サクラさん
巨大なマカジキとの
闘いで、老人が相手を
リスペクトし始めて、
「人間どもにお前を
食う値打ちなんかない」
と言いだすあたりかな。
闘いで、老人が相手を
リスペクトし始めて、
「人間どもにお前を
食う値打ちなんかない」
と言いだすあたりかな。
ハンサム 教授
ああ、いいですね;^^💦
格闘家が壮絶な傷つけ
あいをしても、試合が
終われば抱き合って
相手をたたえる光景に
似ています。
格闘家が壮絶な傷つけ
あいをしても、試合が
終われば抱き合って
相手をたたえる光景に
似ています。
サクラさん
ええ。ほとんど愛し
あってるようにさえ
見えるんです。
その愛する相手を
食べるなんて…( )
あってるようにさえ
見えるんです。
その愛する相手を
食べるなんて…(
ハンサム 教授
でも老人の場合は、
捕まえて人間に食べ
させるのが職業です
から…
捕まえて人間に食べ
させるのが職業です
から…
サクラさん
だからもう引退したく
なってるんじゃない
でしょうか。
とにかく私は魚も肉も
食べる気がしなくなり
ました(😿)
なってるんじゃない
でしょうか。
とにかく私は魚も肉も
食べる気がしなくなり
ました(😿)
ハンサム 教授
う~ん、作者の
ヘミングウェイは健啖家
のようですから、そこ
までの反応は望んでない
と思いますけどね;^^💦
ヘミングウェイは健啖家
のようですから、そこ
までの反応は望んでない
と思いますけどね;^^💦
というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第108回ははアーネスト・
ヘミングウェイの名作『老人と海』
(1952)に挑戦です((((((ノ゚🐽゚)ノ
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ノーベル文学賞授賞を決定づけた作品
ということで、さすがの読み応えです。
え? まだ読んでいない?
読まないで読書感想文を書こうという
のは、主人公サンチャゴにも似て
なかなかいい度胸ですな;^^💦
👉そういう人はこちらの「あらすじ」で
ストーリーを頭に入れてくださいね。
・老人と海(ヘミングウェイ)のあらすじ:簡単/詳しくの2段階で
感想文の例(800字)
はい、ストーリーが確認できましたら、さっそく感想文に取り組みましょう。
この小説は中学校の教科書にも採用され、
小学生の課題図書にもなるくらいのもの
ですから、高校生であれば、それなりの
レベルを見せつける感想文を書きたい
ところですよね。
それには、どうするか…
まずはサクラさんがハンサム教授の添削を
受けながら完成させた「制限字数600字」
(400字詰め原稿用紙1枚半)の場合の
試作品を見ていただきましょう。
中学校や小学校のみなさんには多少、
高度かもしれませんが、きっと参考には
なりますすから、ぜひお読みください。
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ヘミングウェイの『老人と海』は
漁師の老人と彼が捕えようとする
巨大なマカジキとの闘いを描いた
小説である。
私が特に心を打たれたのは、
老人が強大な相手を愛しはじめ、
闘いの最中にも「おれは死ぬまで
お前につきあってやるぞ」
「おれはお前が大好きだ」
などと思ってしまうところだ。
それならば、闘いをやめて
マカジキは逃がしてやればいい
とも思ったが、そうはいかない。
魚を獲ることが彼の職業であるし、
彼のマカジキへの愛も、闘いを
通して沸き起こるものであるから、
闘いをやめれば消えるだろう。
だから「死ぬまで」でも闘いを
続けなくてはならないし、また
そうしたいのだと思う。
このあたりから連想したのは、
総合格闘技やボクシングの試合
だった。
お互いに死の危険を冒すほどの
壮絶な殴り合いを続ける格闘家
たちが、試合が終われば抱き合い
相手をたたえあう、その
すがすがしさが私は好きだ。
老人のマカジキへの敬意もこれに
似ていると思うが、そういう
スポーツマン的な心が昂進して、
やがてあいつは人間より「気高くて、
立派」だ、「人間どもにお前を食う
値打ちなんかない」とまで言いだす。
ここを読んで私が思いだしたのは
テレビの「大食い競争」を見て
げんなりした記憶だ。
食べられる動物は望んで殺されて
いるわけではない。
生きようとする壮絶な闘いの
結果、食卓にのっているのだ。
やむをえず食肉する場合も、
動物たちの闘いに敬意を払って
いきたいと、私は思いを
新たにした。 (598字)
漁師の老人と彼が捕えようとする
巨大なマカジキとの闘いを描いた
小説である。
私が特に心を打たれたのは、
老人が強大な相手を愛しはじめ、
闘いの最中にも「おれは死ぬまで
お前につきあってやるぞ」
「おれはお前が大好きだ」
などと思ってしまうところだ。
それならば、闘いをやめて
マカジキは逃がしてやればいい
とも思ったが、そうはいかない。
魚を獲ることが彼の職業であるし、
彼のマカジキへの愛も、闘いを
通して沸き起こるものであるから、
闘いをやめれば消えるだろう。
だから「死ぬまで」でも闘いを
続けなくてはならないし、また
そうしたいのだと思う。
このあたりから連想したのは、
総合格闘技やボクシングの試合
だった。
お互いに死の危険を冒すほどの
壮絶な殴り合いを続ける格闘家
たちが、試合が終われば抱き合い
相手をたたえあう、その
すがすがしさが私は好きだ。
老人のマカジキへの敬意もこれに
似ていると思うが、そういう
スポーツマン的な心が昂進して、
やがてあいつは人間より「気高くて、
立派」だ、「人間どもにお前を食う
値打ちなんかない」とまで言いだす。
ここを読んで私が思いだしたのは
テレビの「大食い競争」を見て
げんなりした記憶だ。
食べられる動物は望んで殺されて
いるわけではない。
生きようとする壮絶な闘いの
結果、食卓にのっているのだ。
やむをえず食肉する場合も、
動物たちの闘いに敬意を払って
いきたいと、私は思いを
新たにした。 (598字)
どうです?
なかなかうまいもんでしょう。
これをそのままコピペすることは
厳禁ですが、適宜、自分らしいものに
文章を変えて使ってもらうのは
かまいません。
400字など、もっと短くてよければ
いらない部分を削り、もっと字数が
必要なら、自分自身の感想や経験を
入れ込んでから全体を自分らしく
整えてくださいね;^^💦
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老人は魚で、魚は老人…❔
もちろん『老人と海』の感想文としては色んなテーマが考えられるので、
上記のサクラさんの文章にとらわれる
必要はありません。
そのほかにどんなアプローチが
ありそうか、ここからはいっしょに
考えていきましょう。
たとえばマカジキとの壮絶な闘いが
老人にもたらすのは、彼への敬意や
愛ばかりではありません。
それらを超えて、殺さなければならない
相手であるマカジキと自分とが一体化
してくるという現象に見舞われるん
ですね。
「頭がぼうっとして」くると、
「しゃんとして、人間らしく苦痛を
受け入れろ」と自分を鼓舞しますが、
その直後「いや、魚らしくかな、」と
思い直します。
そして最後の力をふりしぼって
「遠く去った昔の誇り」をよび戻し、
「魚の死の苦しみに向って投げつけ」ます。
このあたりではもう、老人は魚で魚は老人……
どっちがどっちかわからず愛する魚の
「死の苦しみ」は老人自身の(予備的な)
「死の苦しみ」でもあるかのように
描かれています。
このような「自他の一体化」は、信仰なり
恋愛なり、人生の様々な局面で体験されて
いくものでしょうが、それをサンチャゴは
巨大マカジキとの壮絶な闘いにおいて
経験しているのです。
あるいはスポーツの世界でも
こういうことは起こるのかな?
そういう経験のある人はぜひ自分の
経験とサンチャゴ老人の心理とを
重ね合わせて、思いつくことを
書いてみてください。
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漁の後半、人生の後半
この巨大マカジキの捕獲についに成功した、つまり勝利した時点が老人の心の高揚の
頂点であり、またこの小説の
クライマックスでもあります。
だとすると、あとは下っていくだけ。
そしてその下り坂にも闘いがあるのですが、
でもそれは、マカジキを食い荒らそうと
するサメたちを追い払おうとする
苦闘であって、マカジキとの勝負とは
まるで性質が異なります。
前半の闘いで老人が感じていた高貴さは
みじんもないのです。
この反転が含む一種アイロニカル(皮肉)な
シンメトリー(対照性)が、「あらすじ」の
【転】の部分の微妙な魅力になっている
と思います。
【承】の部分では
かつてカサブランカの居酒屋で大男の黒人との
腕相撲を制して「チャンピオン」と呼ばれた
時代の自分を思い出して腕力を確認していた
サンチャゴでしたが、今や意識をかすめるのは
そんなことではなく…
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たぶん罪なんだろう、
魚を殺すってことは。
〔中略〕
でも、そうなれば、
なんだって罪だ。
罪なんてこと、考えちゃいけない。
第一、もう手遅れだし、
そういうことを考えるために、
お金を頂戴している人間も
たくさんいることだ。
罪のことは、そういう連中に
考えてもらったらいい。
あるいは…
「これが夢だったらよかった。
釣れないほうがよかったんだよ。
こいつにはすまないことを
したなあ」
〔中略〕
「おれは、おれとお前と、
二人とも台なしにしてしまった」
【転】でのこの下降カーブは、
老人のこの日一日の心理変化を
映し出すものですが、それが同時に
サンチャゴという人の人生全体の後半の
下降線に重ね合わされているようにも
読めて来ます。
この二重性がまたこの作品の
大きな魅力になっているわけですね。
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まとめ
ともかく”闘う男”、闘いを求めつづける男の生きざまこそ、作者ヘミングウェイの
伝えたいことであり、その文学の真骨頂
だといえそうです。
小説の随所に描かれ、最後の1行もそれで
締めくくられる老人の夢が、アフリカの
草原で戯れるライオンだというのも、
そのことを美しく表現しているようです。
さあ、これでもう書けますよね、
高校生らしい読書感想文。
これだけの情報があればもう
バッチリですよね…
ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…
だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?
う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦
そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。
各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。
だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。
さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんの早道。
こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。
・読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から
・セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ
・アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ
そちらで解説している「書き方」を踏まえて
当ブログでは多くの感想文例を試作し
提供してきましたが、このほどそれらの
成果を書籍(新書)の形にまとめることが
できましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
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買う前にその「予告編」が見たい
という人は、こちらでどうぞで。
・読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!
👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。
気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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