友情で感想文を書こう【高校生男女による600字/800字の例文つき】

サクラさん
今度の読書感想文は
武者小路実篤の『友情』
で行こうかと…

ハンサム 教授
ほほう、それはいい。

男の友情の物語を女性の
目から見るのかな?

サクラさん
というか…私も杉子さん
ぐらいモテて、しかもあんな
ふうに自分の思いを通して
しまえたらいいなと(😻)

ハンサム 教授
でもそれ、モテない男の
側に立つとムカつく話だね。

私はむしろ野島に泣ける(😿)

サクラさん
それもわかります(😹)

でも野島は杉子を偶像
(アイドル)にしちゃってて
実像が見えてない…

 

しかもそのことを杉子
自身に見抜かれてます。

ハンサム 教授
なるほど。そういう
男の側の問題を考えれば
また別の視点からの
感想文も書けますね;^^💦
 

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というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第222回は、武者小路実篤の
名作恋愛小説『友情』(1919-20)で
行ってみますよ~((((((ノ゚⊿゚)ノ
   👇



全文を読み返す時間がない人や
要点を整理したい人は、こちらで
ストーリーをインプットして
くださいね。

武者小路実篤 友情のあらすじ 💕漱石を受け継ぐ”三角関係”文学

   友情images


さて、これで話の流れはわかってもらえた
ことにして、さっそく感想文に
取りかかりましょう。

高校生の感想文なら、やはり中学生には
ここまでは書けないだろうと思わせる
高度な部分を含んでいなければ、
高い評価は得られません。

そこでハンサム教授にお願いして高校生の
女子と男子に変身してもらい、字数制限
600字および800字の場合を想定して
ご試作いただいた読書感想文をお目に
かけましょう。



女子高校生の感想文(600字)

はじめに女子高校生によるもの。

 武者小路実篤の『友情』を読み
進んでいくにつれ、私が強く感じた
のは、ヒロイン杉子の魅力だった。

多くの男性をひきつけてしまうその
美しさもうらやましいかぎりだが、
内面的にも考え深く、人の心が
よく見える賢い女性だとわかって
きたのだ。

何より終盤で自分の意志をあくまで
通してしまう芯の強さに私は感動
してしまった。

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 彼女から逃げるようにして渡欧した
大宮という男性を追いかける形になり、
ついには結婚まで行くのだが、
その前にプロポーズした野島に
ついては、二番目に尊敬するけれども
「野島さまのわきには、一時間以上は
いたくないのです」と後で大宮への
手紙に書くほどだった。

つまり自分を避けて野島を押し付け
ようとする大宮の行動が、すべて
野島への「義侠心と男らしさと
心づかい」、つまりは「友情」から
来るものだと見抜いていたのだ。

 残念ながら私は自分が杉子ほど
もてるとは考えられないけれど、
万一同じような立場に立った場合を
仮定してみると、彼女のように正しく
行動して幸福をつかめるかどうか、
自信が持てない。

第一、逃げようとする大宮が自分を
愛しているとなぜ確信できるのか
疑問である。

仮に愛しているとしても、大宮が
あくまで「義侠心」を貫いた場合は、
どうなってしまうのか。

   

 それでも自分を貫く杉子の自信が
もし彼女の外見の美から来るのだとすると、
私は少し悲しい。

この点で普遍性に欠けるところが
作品の弱点ではないだろうか。
          (591字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


もっと短い「400字」とかで要求されている
場合は、あらすじを書いているところとか、
必要なさそうな部分を切り捨てて
スリム化してくださいね。

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男子高校生の感想文(800字)

では次に男子の視点から。

こちらは800字の例です。


 武者小路実篤の『友情』を読み
ながら、僕は何度か泣きそうに
なった。

ついに号泣してしまったのは、
野島からの求婚を断った杉子が、
その後の大宮への手紙に「私は
野島さまの妻には死んでもならない
つもり」「野島さまのわきには、
一時間以上はいたくないのです」
などと書いていたところでだった。

 こういう場面で泣けてしまうのは、
たぶん僕が野島と同じくもてない
男だからなのだろうが、それだけに、
もてまいとしながらもててしまう
大宮という男には腹が立つ。

杉子を遠ざけようとした彼の行動は
杉子にも見抜かれた通り、すべて
野島への「義侠心と男らしさと心づかい」、
つまり「友情」によるものだった。

   

 しかしなまじこんな「義侠心」を
起こしたせいで、野島の傷は余計に
深くなったのではないだろうか。

杉子も書くように、彼がはじめから
「自然」にしたがって、野島にこの
恋をあきらめさせていれば、求婚を
却下されるというような深刻な事態に
まで行かずにすんだのである。

 またこれについては、杉子にも責任が
あるのではないだろうか。

いくら野島でも受諾の見込みゼロと
わかっていて求婚することはないはずで、
彼にその可能性を思わせ続けたところに
杉子の問題があると思う。

野島のわきには「一時間以上はいたく
ない」のなら、本人に早くそう
知らせるべきだった。

      

 かといって、僕は野島だけは正しい
などと言おうとするのではない。

武子という女性に好意を持たれた野島は
「武子の心が杉子に入っていたら」
いいのになどと妄想したあとで、自分は
「杉子の心を愛しているのではなく、
美貌と、からだと声とか、形とかを
愛しているのだな」と気づく。

結局そうともいえるのは杉子も見抜いた
通りなのだから、こう気づいた時点で
断念すべきだったと思う。

 しかし、仮に頭ではそう思っても体が
その通りに動かないのが恋愛というもの
なのかもしれない。

だから僕自身が野島だった場合も、同じ
ことになってしまうかもしれないのだが。
              (798字)

さあこれも、完全コピペでなければ、
換骨奪胎、適宜切りきざんで使って
もらってかまいません。

ん? もっと長「2000字」とか
書かなきゃいけない?

それなら、上記の感想文のなかで自分
としていちばん気に入った(または気に
なった)箇所について、もう一度、
本文を読み直して文章(引用+感想)を
補充していけばいいんですよ。

もちろん反対する意見でもいいですし、
「女子高校生600字」の方でやって
もらってもいいわけです。




漱石『それから』へのオマージュ

さあ、どうでしょう。

書けそうですか? 読書感想文。

要するに「三角関係」を主軸とした
物語ですから、とうぜん書けますよね、
経験のある人なら;^^💦


ところで大宮のモデルは志賀直哉だ
ということが発表当時から言われています。

誰でもいいけど、まあ、ムカツキますよね。

モテまいとしながらモテてしまう。
しかもその相手は垂涎の美女ときては……

  

ともかくこの三角関係の構図が、杉子が手紙の
なかで言及する夏目漱石の『それから』に
似ていることは明らかで、そのことは上記の
「あらすじ」の記事でも詳しく述べています。

三角関係は『それから』以前も以後も漱石が
こだわり続けた”おはこ”とさえいえる
パターンで、武者小路はその衣鉢を継ぐ
作家として登場したとも言えるわけですね。


「三角関係」にあった女性を親友から
義侠心」で譲られてしまったら、
どうなるか。

結婚までは行かなかった野島は『それから』の
平岡―譲られたあとで奪い取られてしまう―
から見れば、まだ傷が浅くすんだといえる
のかもしれません。

『それから』を新聞連載中から
愛読していた武者小路が、
彼が主催する雑誌『白樺』の
創刊号に書評「『それから』
論」を書いたことは有名です。

詳細はこちらをご参照ください。

漱石 それからのあらすじ:簡単/詳しくの2段階で解説

    


ともかく、この『友情』に漱石文学が
大きく影を落としていることは
疑いの余地がありません。

そのことは、たとえば
以下の記事でご納得いただける
のではないかと思います。

漱石 三四郎で感想文:美禰子の愛は?”無意識の偽善者”とは?

漱石『こころ』のお嬢さん問題と河合奈保子「けんかをやめて」

漱石の名言でたどる恋愛💛『吾輩』猫が読み直す『こころ』etc.

  ƒvƒŠƒ“ƒg


というわけで、もし高度な感想文で
賞でも狙おうというような場合は、
漱石作品のどれかと比較対照してみる
というのがウマい方法ですね。


それからもう一つ、武者小路実篤といえば
宮崎県児湯郡木城村に「新しき村」を
建設したことでも有名ですが、その
ユートピア主義的な思想に最も強い影響を
与えたのがロシアの文豪、トルストイだと
いわれていますね。

トルストイの思想から『友情』の世界を
照らしてみるというのも、たいへん
高度で面白い試みでしょう。

トルストイ『人生論』の内容は
こちらご覧になれます。

トルストイ 人生論は難しい?12の名言をつないで”幸福”を理解しよう

 


ここまで高度化できれば、もう読書感想文
どころでなく、大学・大学院の論文の
レベルにまで駆け上がってしまう
かもしれませんね。



まとめ

さあ、これでもうバッチリですよね。

読書感想文だろうが、レポートだろうが。



ん? 書けそうなテーマは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、当シリーズで「感想文の
書き方《虎の巻》」を開陳している
記事のどれかを見てくださいね。

当ブログでは、漱石ばかりでなく、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/



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