ジャングルブックのあらすじ 原作小説(キップリング)を簡単に
やあやあサイ象です。
おなじみ「あらすじ」暴露サービスも
ついに大台を超えて今回でなんと
第103弾((((((ノ🐯)ノ
「感想文の書き方」シリーズ全体では
第155回となります。
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今回は絶好調の2016年ディズニー映画
『ジャングル・ブック』の原作小説で
行ってみましょ~~^^;
ラドヤード・キップリング(1865-1936)
作、タイトルもズバリ『ジャングル・
ブック』(The Jungle Book)です!
まずは映画の予告編をチラ見してください。
”オオカミ少年”伝説の小説化
ごらんのとおり、というか先刻ご承知の人が多いでしょうけど、主人公の
モーグリはいわゆる”オオカミ少年”…
といっても、「オオカミが来た~」と
ウソばかり言うので信用されなくなる
イソップ寓話のあの少年のことでは
ありませんよ。
オオカミに育てられた人間の子。
そういう子が実際にあるという話が
昔から有って、わりあい近年にも
”オオカミ少女”の例が報告されて
いますが、でもこれ眉唾(捏造?)
だという説もありますね。
インド育ちのイギリス人作家である
キップリングのこの作品も、おそらく
当地の伝説から発想されたものでしょう。
で、この『ジャングル・ブック』、
実は一つの物語として流れていくもの
ではなくて、短編小説の連作という
形をとっているんですね。
それの短編をつなぎ合わせると、
モーグリの生い立ちとその運命が
全体の主筋として浮かび上がる次第。
なので、この主筋と直接関係のない
お話もいくつか入ってるわけですが、
それらは、この「あらすじ」では
除外させてもらいますね。
そして主筋についてはもちろん
ネタバレありで終わりまで行きますので、
結末を知りたくないという人は絶対に
読まないようにしてください。
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あらすじ
能書きはそれくらいにして、さっそく「あらすじ」に入りましょう。
「起承転結」の4部に分けていますが、
それは、私の勝手な判断によるものです。
それでは、始まり始まり~
🐺【起】
虎のシーア・カーンが村をおそい、村人はみな逃げ出します。
親に置いて行かれてしまった赤ん坊が、
よちよち歩きでオオカミのほら穴に
やって来てしまいました。
子育て中だった母オオカミはその子を
かわいく思い、自分の子たちと同じ
ように乳をやります。
そこへやってきたのが、たき火で足を
やけどして逃げていたシーア・カーン。
その赤ん坊はおれ先に見つけたえもの
だからよこせとおどします。
母オオカミは自分の子だと啖呵を切り、
夫婦そろっての気迫でシーア・カーンを
追い払います。
毛のない赤ん坊はカエルを意味する
「モーグリ」という名前を付けられ、
オオカミの兄弟といっしょに
育てられます。
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父はモーグリをオオカミの会合に
連れて行き、群れの一員として
認めてほしいと頼みます。
若い何匹かが不服を唱える中、
長老のアキーラは、育ての親夫婦
以外に2匹の支持があれば
認められると言いました。
支持者として名乗りをあげたのは、
狼ではないものの、子オオカミたちに
「ジャングルの掟」を教える教師役を
果たしている年とった熊のバルー。
2匹目は幼い頃人間に育てられた
黒豹のバギーラで、彼は贈り物として
殺したての雄牛を一頭、群れに捧げる
ことでモーグリの受け入れを確保しました。
こうしてモーグリはジャングルの中で
兄弟オオカミと一緒にすくすくと
成長していきます。
🐻【承】
熊のバルーは大変きびしい先生で、モーグリがまちがえたり、一生懸命
でなかったりすると叩くのですが、
本人は軽いつもりでも、そこは
熊だけにすごい力。
いやになって逃げだしたたモーグリは
猿たちと知り合いになりますが、
ジャングルのはみ出しものである
猿たちは頭は空っぽで、ルールなんか
すぐに忘れてしまうような集団です。
モーグリの知能に驚いた猿たちは、
リーダーにしようと思い、さらって
しまいます。
バルーとバギーラは、モーグリ救出の
ため、ジャングルで最も恐れられる
巨大ニシキヘビのカーを訪れます。
「人間の子のなかでいちばんよい、
いちばんかしこい、いちばん
大胆なやつだ」とカーに説明する
バルーは「おれはーーあれを
愛してるんだよ」とも。
「愛するということ」についてなら
おれにも話があると言いだした
カーをバギーラがさえぎります。
とにかくその子はいま猿どもの手中に
あって、あいつらが怖れているのは
このジャングルでカーだけだと。
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🐯【転】
虎のシーア・カーンはその後もなんとかしてモーグリを食べて
やろうと執拗につけ狙っていました。
何匹かの若いオオカミを言いくるめて
群れから追放させておいてから、
モーグリに迫ります。
シーア・カーンに対抗するには
「赤い花」を使えとバギーラから
忠告されていたモーグリは、
隠し持っていた火を使ってシーア・
カーンとオオカミたちを脅かし、
人間の村へ走って逃げました。
人間の村で、虎に子供を盗まれた
夫婦に引き取られましたが、服を
身に付けることや、室内で眠る
ことなど、人間の習慣がなかなか
見につきません。
またインド社会のカースト制度
(身分差別)になじめず、たとえば
自分より身分が下の者の手助けを
しただけで目上の者に怒られること
など理解できないことだらけ。
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時おり兄弟オオカミがやって来て、
ジャングルの様子を知らせてくれます。
「おまえはオオカミだってことを
忘れやすまいね?
人間がおまえにそのことを忘れさせ
たりしないだろうね?」
と灰色の兄弟が心配そうに言います。
「忘れやしないとも」と
モーグリは話します。
「おまえや、ほらあなの
みんなを愛している
ということはいつだって
覚えているさ。
でも自分が仲間から
追いだされたってことも
いつだって覚えてるよ。
そしてこんどは人間の
仲間からも追いだされる
かもしれないってことも」
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人間の言うことはカエルの鳴き声の
ようなものだ、ともモーグリは
言います。
たっとえばジャングルを知りつくし
ているような口ぶりの猟師バルドー。
みんなは興味津々で耳を傾けますが、
モーグリから見れば全然的外れの
ことばかりです。
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🐍【結】
ある日、家畜の群れの番をしていたモーグリは、兄弟オオカミから、
シーア・カーンのたくらみについて
話を聞きます。
この兄弟と長老のアキーラの
助けを借りて、シーア・カーンを
迎えうったモーグリは、逆に
相手を殺してしまいます。
賞金がかかっていたシア・カーンの
毛皮をはぎ、オオカミたちとともに
堂々と村へ戻ります。
ところが、英雄扱いされるどころか、
「魔法使い!オオカミの子!
ジャングルの悪魔!」とののしられ、
石を投げられます。
モーグリは再びジャングルへ。
オオカミ世界では人間と呼ばれ、
人間世界ではオオカミと呼ばれ、
どちらへも完全には帰属できない……
(こうもりの)マングが獣たちと
鳥たちの間を行ったり
来たりするように、
ぼくも村とジャングルを
行ったり来たり……なぜ?
それでもジャングルへ戻った
モーグリは外の空気を吸って眠り、
バギーラやバルーとの再会を
喜びます。
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どう書く? 感想文
さあ、どうでした?冒険と戦いのアクション・ドラマとしての
面白さはもちろん十分ですが、それだけの
ものではない深いところもありましたね。
ですので、読書感想文など書こうという
場合は、そういうところをとっかかりに
していったらいいんじゃないでしょうか。
たとえば上記「あらすじ」【結】で
引用したセリフで自分で言っていたように、
モーグリは人間でもオオカミでもあるのと
同時にどちらにも完全にはなりきれない…
いわゆる「鳥なき里の蝙蝠(こうもり)」
なんですよね。
このことのバックには、インド育ちの
英国人として、イギリスにもインドにも
完全には帰属しきれないという作者
キップリング自身の抱える切実な問題が
絡んでいたことでしょう。
このテーマを自分か自分の周りの人が
抱えている問題にひきつけてみる
ことはできないでしょうか。
あるいはもっとシンプルに、モーグリの
ダメな部分と自分を重ねてみましょうか。
なにしろバルー先生のきびしい指導に
たえきれず逃だしてしまうんですからね。
そういう弱さを克服してヒーローに
なっていく成長の物語だともいえます。
👉このあたりで共通する童話に
『ピノキオ』がありますね。
比べてみると面白いんじゃないでしょうか?
あらすじはこちらで。
・ピノキオのあらすじ:怖くて”悪い”原作の世界を結末までご案内
あるいはモーグリを取り巻く狼、
豹、熊、虎、蛇などの動物たちに
目をつけても面白いかもしれません。
それぞれの動物の性格づけが、熊は熊、
虎は虎で、なんとなくもっともらしい
けど、でもそういう性格っていったい
何を根拠に創造(=想像)されているん
でしょうかね?
👉これら動物キャラクターについての
問題はこちらで詳しく検討して
いますので、ぜひご参照ください。
・熊がかわいいのはなぜ?怖い猛獣にやさしく抱かれ…という心理の歴史
👉そのほか比べてみたら面白い童話の
あらすじをたくさん用意しています。
こちらでどうぞ。
・白雪姫は怖い?こんなに違う原作(グリム童話)とディズニー映画
・シンデレラの原作は怖い!足を切断しても靴に入れる執念…そのルーツは?
・ラプンツェルのあらすじ💘グリム原作初版は何がヤバかったの?
・赤ずきんのあらすじ//グリム童話とペロー童話でどう違う?/
・美女と野獣 原作のあらすじ:ディズニーとの違いを結末まで
・童話 人魚姫(アンデルセン)のあらすじ💛本当は怖い恋物語
・ピーターパン原作のあらすじ:怖いのは子供が○○されるから?
・雪の女王(アンデルセン)のあらすじ💛アナ雪”原作の怖い童話
グリムほかの童話の本を早く安く
手に入れたい場合はAmazonが便利。
こちらから探してみてください。
グリムほか童話の本・絵本:ラインナップ
ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、具体的にどう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?
そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。
👉当ブログでは、日本と世界の多様な
文学や映画の作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。
参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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