サクラさん
太宰治の『津軽』で
読書感想文を書かない
といけないんですが、
何を書いたらいい
でしょうか?(😾)

ハンサム 教授
それは、読んで感じた
ことを書けばいいん
ですが、しっかり
読めましたか?

サクラさん
それが実は…面白い
ことが全然起こらない
ので、途中で挫折して
るんです(👅)

ハンサム 教授
ハハハ、大きな声では
言えませんが、全部
読まなくても感想文は
書けますよ;^^💦

サクラさん
やったー(😹)

どこだけ読めばいい
か教えてください!

ハンサム 教授
それはもちろん人に
よって違ってきますが
いちばん書きやすいのは
たぶんラストのたけとの
再会場面なので、上手な
人はそこだけ読んでも
書けてしまうんじゃ
ないかな;^^💦


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というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第16回。

今回は太宰治中期の中編小説
『津軽』(1944)で参ります。




800字の例文

ストーリーは、冒頭の会話でも
ふれています通り、あってなきが
ごとくですから、さっそく感想文に
取り組みましょう。

まずは一つのお手本というか例として
800字(原稿用紙2枚)以内という想定で
サクラさんが試作し、ハンサム教授が
添削したものをお目にかけます。

大学生などの読書レポートとしても
通用するレベルになっていて、あるいは
中高生には少々高度かもしれませんが、
わからないということはないはずです
ので、ひとつ挑戦する気持ちで
読んでみてください。

 『津軽』は「津軽風土記を」
という依頼を受けて書き流された
紀行文のような文章で、はたして
小説といえるかどうかにも
疑問符のつくような作品だ。

それでも、これはやはり小説だなと
感じさせる部分は多々あったので、
それらのうち、私が特に感銘を
受けた部分について書いてみたい。

    

 それは、最終章「五 西海岸」の
後半で、三歳から八歳まで「私」の
乳母だった女性「たけ」に再会し、
深い感慨に浸されていくあたりだ。

三十年近い年月を隔てての再会の
場面で、笑って「修治だ」と名乗った
「私」に対し、たけは「うつろな
眼をして」「あらあ」と言っただけ
だったというのも、実際にありそうな
描写で、とてもよいと思ったが、
そのあと一緒に運動会を見ながら、
「私」がやたら喫煙するのを見た
たけが、それまでの無口さの殻を
破るかのように、突然うるさい
おばさんになるところがまた
素晴らしかった。

「たばこも飲むのう。

さっきから、立てつづけに
ふかしている。

たけは、お前に本を読む
事だば教えたけれども、
たばこだの酒だのは、
教えねえきゃのう」


そういわれて「真面目な顔に
なって」しまう「私」も
ほほえましく感動的だ。


 乳母になった時まだ14歳だった
たけは「私の教育に夢中」で、
たくさん本を読ませたばかりでなく
「道徳を教えた」。

しばしば寺へ連れて行って
「地獄極楽の御絵掛地を見せて
説明した」のだ。

    

 そのような人として記憶に
生きていたたけとの接触を通して
「私」は、母にしか与えることの
できない「心の平和」を「生まれて
初めて体験した」といい、そこから
「親孝行は自然の情だ。倫理では
なかった」という哲理を導き
出してもいる。

このように書き込まれた感動的な
部分によって、『津軽』は、美しい
自然描写や心理描写ばかりでなく、
しっかりとしたメッセージにおいても
光る、すぐれた小説になって
いるのだと思う。     (785字)


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どうです?

なかなかよく書けているでしょう。

いやいや、上出来だからって
これをそのまま丸コピ(全文まるごと
コピペ)するのはNGですよ。

それは剽窃(つまりパクリ)で立派な犯罪
ですから、使うなら部分的にアイディア
だけ盗んで、あくまで自分の文章で書く
ようにしてくださいね。


🍎 ピンポイントで攻める

さて、上の感想文例はもちろん一つの
例文にすぎません。

書いていくテーマはほかにも色々
みつかるはずですので、ぜひ自分の
テーマを発見すべく、作品を
読み直してください。


よくあるダメな感想文は、作品全体に
ついて書こうとしてもピンぼけに
なってしまっているもの。

よい感想文を書こうと思ったら、
何を書くかの焦点を、読んでいる
うちから、できるだけ絞ること。

   

その焦点を狙いすまし、ピンポイントで
攻めるのが得策なんですね。

そこで、まず全体の構成を見なおして
おくと、かなり長い「序編」のあとに
「本編」があり、これが

一 巡礼
二 蟹田
三 外ヶ浜
四 津軽平野
五 西海岸

の5章に分かれています。

実際問題として、どれか1章だけ読んで
「感想」をでっち上げるという荒技も
決して不可能ではありません。

でも、それだと全体の文脈が頭に入って
いないために、どうしてもピントはずれか
上滑りになって、よいものは
書けないんですね。

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🍎 自分が太宰の立場だったら……

では、どこに焦点を絞ればよいか。

「感想」が出やすいのは、やはり作品の
山場とみられている「五 西海岸」の、
特に乳母だった女性、たけとの
再会シーンでしょう。

感想文を読んで評価する側を考えても、
先生方の大半が期待されているのはそこだ
と目星をつけて、まず間違いありません。

もちろんほかの章や場面に感銘を受けた
のであれば、それで書いていけばいいの
ですが、特にない場合は、「たけ」で
行くのが正解でしょう。

   Child-s

では、「たけ」との何を書くか。

上記例文でもやっていた通り、
たけの話す言葉、そこから浮かび上がる
二人の関係を考えていくというのが
一つですね。

自分が太宰の立場だったら何を考え、
どう振る舞うか、じっくりと想像力を
働かしてみましょう。


きっと、こうだろうな……と思い浮かん
だら、とりあえず、それを書いて
みましょうよ。

書いていくうちに、はじめは考えて
いなかった、もっと面白い、深い
「感想」が出てくることもありますよ。

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🍎 たけの娘だったら……

「五 西海岸」で書く場合、もう一つ
面白いんじゃないかと思うのは、たけの
十四、五歳の娘さんとの初対面の
シーンです。

たけの家の戸を開けて「ごめん下さい」と
連呼した太宰は、「はい」と顔を出した
少女の顔によって、たけの顔をはっきり
思い出します。

すると、もう何の遠慮もなく近寄って
「金木の津島(太宰の本名)です」
と名乗る。

 少女は、あ、と言って笑った。
津島の子を育てたという事を、
たけは、自分の子供たちにもかねがね
言って聞かせていたのかもしれない。
もうそれだけで、私とその少女の間に、
一切の他人行儀が無くなった。
ありがたいものだと思った。
私は、たけの子だ。
兄たちに軽蔑されたっていい
私はこの少女ときょうだいだ。


とても美しい場面だと思うのですが、
その美しさは、通して読んできた読者で
ないと、十分に享受できないでしょうね。

たとえば「兄たちに軽蔑されたっていい
という文。

   Puppy-s

さりげなく入れられたこの一文のもつ
重みは、はじめから通して読んでいないと
伝わりにくいところで、それが伝わら
ないと、この場面もの美しさもずしりと
伝わってくることがないわけです。

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🍎 兄たちに軽蔑されたっていい……

それはともかく、読んでいてこの美しさに
動かされた人は、ここから「感想」を
書いていってみてはどうでしょう。

先ほどの場合と同様、太宰の立場に
立ってもいいですし、またこのシーンなら、
逆にこの少女の側に立って、彼女に
なりきってみるのもアリですね。

自分が彼女の境遇だったらこの場合どう
思うか、どうするかといろいろ想像を
膨らましてみるのも
楽しいんじゃないですか?

     

また「兄たちに軽蔑されたっていい」に
引っかかる人は、兄たちとの関係、
その描き方(ここはこの作品で最も
小説的な部分でしょうね)に着目して
全体を読み直してみるのも
有意義だろうと思いますよ。
👉兄たちとの関係の流れでは、
今は兄が当主となって故郷の家の
庭で芭蕉の「池や」の俳句を
思い出す場面がありますね。

これについて考えるという手も
あるでしょう。

こちらを参照してください。

松尾芭蕉の俳句「古池や」の意味は?太宰・子規・漱石に聞く

          


👉ほかの太宰作品に関しては、
これらの記事も参考にしてください。

斜陽(太宰治)のあらすじと感想◎簡単/詳しくの2段階で解説

太宰治 人間失格のあらすじ:生田斗真主演映画の原作をネタバレありで

太宰治 人間失格で感想文:「恥の多い生涯」という名言から

太宰治おすすめ作品「カチカチ山」:名言《惚れたが悪いか》

    

太宰治 女生徒のあらすじと考察 👩女はいやだ…曲折する意識を読む

太宰治 走れメロスのあらすじ:「簡単/詳しい」の2段階で解説

太宰治 走れメロスで感想文:人質や王の心理を考えよう

👉そのほか太宰の本を早く安く
手に入れたいという場合は、
Amazonが便利です。
こちらから探してみてください。


🍎 太宰治の本:ラインナップ🍎


まとめ

さあ、これだけ情報があれば、
もう大丈夫ですよね、
『津軽』で書く読書感想文。


ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…

だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?

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う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦

そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。

    

各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。


だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。

さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんです。

こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。

読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から

セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ

                 

アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ

    

そちらで解説している「書き方」を
踏まえて、当ブログでは多くの感想文例を
試作し提供してきましたが、このほど
それらの成果を書籍(新書)の形にまとめる
ことができましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
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👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。

気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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