やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第25回。

今回は感想文を書く前提としての
「あらすじ」暴露サービス第2弾です。

扱う作品は太宰治『人間失格』 (1948)。
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もちろん全文を読んでもらうのが
一番ですが、そんな時間がないとか、
字がむずかしいとかいう人のために、
内緒で「あらすじ」を教えちゃおう
というわけです。

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映画の予告編と朗読

え? その「あらすじ」も
むずかしい字が多くて読めない?

ではとりあえずこの動画をご覧ください。

生田斗真主演の映画『人間失格』
(荒戸源次郎監督。2010)の予告編です。



それからもう一つ、小栗旬主演,宮沢りえ、
沢尻エリカ、二階堂ふみ共演で話題を
呼んだ『人間失格 太宰治と3人の女たち』
(蜷川実花監督。2019)もどうぞ。



まあいずれも…というか特に後者は
映像美やエロティシズムに主眼を置いた
作品で、本物の『人間失格』の再現を
狙ったものではありませんので、そこは
くれぐれもご注意ください。

前者にしても、映画向きに変えている
部分は多々ありますし、それに予告編
だけじゃやっぱりチンプンカンプン
ですよね。

そこで「簡単/詳しく」の2段階で
用意した「あらすじ」を読んでいただく
ことになるのですが、まず「ごく簡単な
あらすじ」の方から。

ごく簡単なあらすじ(要約)


「恥の多い生涯を送って来ました」
に始まり、「もはや、自分は、完全に、
人間で無くなりました」、幸福も
不幸もなく「ただ、一さいは過ぎて
行きます」に終わる27歳の「自分」
(大庭葉蔵)の手記。

富豪の家に生い立ちながら、幼少から
「人間の生活というものが、見当
つかない」という対人的な疎隔感を
抱えてきた「自分」はこれを得意の
「道化」で乗り切ってきた。

高等学校(旧制)では左翼運動を経て
酒、煙草、淫楽の世界にのめりこみ、
人妻と心中を試みるや、「自分」一人
生き残って自殺幇助罪に問われ、退学。

その後も子持ちの女性やバーのマダム
らとの破滅的な関係にはまりながら、
やがて漫画家として稼ぎ始め、無垢な
女性と平安な生活を営み始める。

   
   太宰治自画像

が、彼女が強姦されたことから再び
自暴自棄になって深酒し、ある晩、
たまたま見つけた睡眠薬で発作的に
自殺を試みるが、これも未遂。

その後の衰弱から結核を発病して
喀血し、治療に使われたモルヒネの
味を占めて依存症となり、モルヒネ
入手を目的に薬屋の奥さんも
誘惑して深い仲に。

それでも金が足らず、実家に援助依頼の
手紙を送ると、縁者と友人が来て
連れて行かれた先は「脳病院」。

数か月後には故郷に引き取られて
茅屋に隔離されて生きている。

どうでしょう。

よくわかりましたか、
『人間失格』の世界?

ん? 話をはしょりすぎていて、
なんでそうなるのかがわからない?


そうでしょう、そうでしょう;^^💦

そういうわけで、やはりどうしても
「かなり詳しいあらすじ」の方を
読んでいただくことになるのですね。

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かなり詳しいあらすじ

「簡単なあらすじ」の方では説明を
省きしましたが、小説『人間失格』は、
「第一の手記」「第二の手記」「第三の
手記」からなる主要部分を冒頭の
「はしがき」と末尾の「あとがき」とで
はさむ…という「入れ子」型の構成に
なっています。

こちらではその5つの部分にわけて、
「あらすじ」を記述していきます。

「 」内と「”」印のグレーの囲みは
翻訳原文(上記文庫本)からの引用です。



ドクロ はしがき

「私は、その男の写真を三葉、
見たことがある」と始めた語り手は、
「幼年」「学生時代」「年齢不詳だが
白髪」のその三葉を見て気味悪く
感じる。

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この男についてそれ以上の説明はなく、
「私はこれまで、こんな不思議な
男の顔を見た事が、やはり、
いちども無かった」と結ばれる。

ドクロ 第一の手記

「恥の多い生涯を送って来ました」
という書き出しから「自分には、
人間の生活というものが、見当
つかないのです」という2行目へ進み、
「自分」と一般の「人間の生活という
もの」との乖離の感覚が語られてゆく。

    

この乖離に混乱し、発狂しそうになる
ことさえある「自分」は、まともに人と
会話できず、幼時から「道化」を行う
ことを覚えて生きてきた。

ドクロ 第二の手記

中学校時代、バカだと思っていた
竹一に自分の「道化」が見抜かれ
そうになって恐怖する。

その後、旧制高校では悪友堀木に
導かれて酒、煙草、淫楽に浸り、
信じてもいない左翼運動にも加わる。

こうして人間への恐怖を紛らわして
いたのだが、やがて逃れがたい
様々なしがらみに捕らわれ苦しむ。

  

その果て、人妻との一夜の後に彼女と
心中を試みるものの「自分」一人
生き残り、自殺幇助罪に問われる。

父親と取引のある男(ヒラメ)を
引受人として釈放される。

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ドクロ 第三の手記

高等学校を放校になり、ヒラメの家に
逗留することになる。

将来どうするのかと詰め寄られて
「自分」は家出し、子持ちの女性や
バーのマダムらとの破滅的な
女性関係にはまりこむ。

     


やがて一人の無垢な女性と知り合い、
一時の幸福を得るが、友人の堀木と
二階で「罪の対義語」とかなんとかの
話をしている最中、階下で彼女
は出入りの商人に犯される。

絶望から深酒に走り、ある晩、たまたま
見つけた睡眠薬で発作的に自殺を試みるが、
これも未遂に終わる。


その後は体が衰弱して深酒も度を
加え、ある雪の晩ついに喀血する。

薬屋で処方されたモルヒネを使うと
急激に調子が回復したため、それに
味を占めてついにモルヒネ中毒となる。

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薬屋からツケで買うモルヒネも、
やがてのっぴきならない額となり、
薬屋の奥さんと関係を結ぶに至る。

ついに耐え切れず、実家に状況を説明
して金の無心の手紙を送ると、ヒラメと
堀木が来て、病院に行こうと言う。


行き先はサナトリウムだと思って
いたら、これが脳病院。

「もはや、自分は、完全に、
人間で無くなりました」

数か月後、故郷に引き取られて
茅屋で暮らす「自分」には、
「幸福も不幸もありません。
ただ、一さいは過ぎて行きます」

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ドクロ あとがき

「私」が、手記に登場する「マダム」に
会い、彼女から「はしがき」に出る
三葉の写真と三冊の手記とが
渡された経緯が語られる。

「私たちの知っている葉ちゃんは、
とても素直で、よく気がきいて、
あれでお酒さえ飲まなければ、
いいえ、飲んでも、……神様みたいな
いい子でした」というマダムの
言葉で結ばれる。

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ピース又吉も傾倒

ところで、あの『火花』でなんと芥川賞を
ゲットしてしまった,お笑いコンビ
”ピース”の又吉直樹さんの文学的な出発点に
太宰治があったことは、又吉さん自身も
認めるところです。

特に『人間失格』は100回以上読んでいて、
重要な部分にピンクのマーカーで線を
引き続けていたら、今や全ページが
ほとんどピンクでどこが重要か
わからないそうです。

そのことを語っている談話を
参考までに、どうぞ。



どうしても「人間」とか「女」とかの
カテゴリーで一括りにできない各個人の
個別性(singularity)……

これは『人間失格』にかぎらない太宰文学
全般のまさに核心を突いた批評であって、
それが特に強く表現されているのは、
『人間失格』よりむしろ『斜陽』ではないか
と私は思っています。
👉『斜陽』についてはこちらを
ご参照ください。

斜陽(太宰治)のあらすじと感想◎簡単/詳しくの2段階で解説

      vintage-1077954_640        
👉その『斜陽』の見事な達成の
一つが「男性作家による女語り」
という太宰得意の手法ですが、
それに先鞭をつけた初期の
傑作が『女生徒』。

これついてはこちらを。

太宰治 女生徒のあらすじと考察:女はいやだ…曲折する意識を読む

              


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さあ、書けるかな?

さあ、もうこれで書けますよね、
読書感想文。

え? どこをどう突っ込んで
書いたらいいかわからない?
👉そういう人はこちらの記事を見て
参考にしてもらえたらと思います;^^💦

太宰治 人間失格で感想文:「恥の多い生涯」という名言から

       

👉またほかの太宰作品に関しては、
これらの記事も参考までに。

太宰治の本でおすすめは?人間やめたくなった時こそ読みたい15作!

太宰治 グッドバイのあらすじ//未完の原作に映画はどうオチをつけるか

                   


太宰治おすすめ作品「カチカチ山」💛名言《惚れたが悪いか》

        

太宰治 津軽のあらすじと感想文:タケ母子との心の交流を…

太宰治 走れメロスで感想文:人質や王の心理を考えよう

                             


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太宰治の本:ラインナップ

銀座のバー”ルパン”でくつろぐ太宰(林忠彦撮影)


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

👉当ブログでは、太宰作品のほかにも
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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