クリスマスキャロルで感想文?甥と妹の「大きな心」を読もう

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズも
なんと第132回((((((ノ゚⊿゚)ノ

今回は英国の文豪ディケンズの
名作中編小説『クリスマスキャロル』
(A Christmas Carol, 1843)で
行って見ましょ~。
 


え? どんな内容かって?

それを知らなきゃ、感想文どころじゃ
ないでしょうが……

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ま、しょうがない、内緒で
お教えしましょう。

こちらの「あらすじ」記事に
ザッと目を通してくださいね。

クリスマスキャロル (ディケンズ)あらすじ:簡単/詳細の2段階で

どうでした?

まずわかるのは、今風にいえば
「時間旅行」(time travel)の
お話だということ。

で、その旅行が「過去」「現在」「未来」
という3人の精霊(幽霊)に導かれる形で
なされるところに、この小説のミソ
(面白みを出すための工夫)が
あるわけですね。

クリスマスキャロルimages

読書感想文も、より優秀なものを  
書こうと思ったら、まずこの構造に
目をつけるのがよいかもしれません。

で、実際、2013年の「光文社古典新訳文庫
読書エッセイコンクール」小・中学生部門
で「最優秀賞」を獲得した感想文がこの
『クリスマス・キャロル』を扱った
もので、そのタイトルがまさに
「時間旅行」なんですね!


中学校3年の女子によるこの優秀作を
参考までに少々のぞき見させて
もらいましょう。



Ψ 最優秀感想文「時間旅行」の紹介

主人公のスクルージが体験したこの
「時間旅行」は怖いものでもありましたが、
筆者はこれをむしろ「自分を芯から磨け、
性格も変えられるプレゼントなんて、他に
あまり無くて素敵だと思った」と
ポジティブにとらえます。

「過去」の自分と出会って後悔しても、
それを変えることはできないが、「未来」の
自分は反省によって変えていけるのだから、
私も○○○○しようと思った……。


このあたり、いかにも学校で高い評価を
得られそうな道徳的作文として上手ですね。

ただ、それだけで終わらないのが
「最優秀賞」たるゆえん。


「自分をスクルージに   スクルージ14431175.54858086ee822
あてはめて」読み返すうちに
気がついたこととして、筆者は
こう述べていきます。

スクルージは「3つの時間に、体ごと幽霊に
連れて行かれて時間旅行をしているから、
大きな話にみえる」けれども、「私だって、
この作文を書くために、頭の中で過去や
未来へプチ時間旅行しているのでは」……。


この”気づき”(発見)、そしてそれを
感想文に導入したところが
素晴らしいわけですね。

そこから、こう考えます。 time-275428_640

「過去/「現在/未来」のうち一番重要
なのは「現在」で、それは「現在の
自分が、過去の自分も未来の自分も
作る事が出来るからだ」と。

そして、「現在」が一番重要だというこの
多少とも哲学的な結論から、再び小説の
感想らしい感情的な記述に戻るところが
また心憎いですね。

私が、『クリスマス・キャロル』の
中で最も好きな場面は、現在に
戻って来たスクルージが
クリスマスの町を散歩する場面だ。

その時は性格ももうすっかり優しく
なって、世の中の出来事全てに
うきうきした様子が伝わってくる。

1人の人間が一晩ですごい変わり
様だと、読んでいる私まで
爽やかな気分になった。

それと同時に、羨ましい、私も
こうなりたいとも思った。


 スクルージTiny_Tim


そこからまた道徳的な課題の方へ戻って、
「性格を変える事は難しい」けれども、
要するに「長所を伸ばし、短所を直す」
ようにすればよく、「そのためには自分で
時間旅行をすれば良い」と主張します。

日々、少しずつでもすることの
できる時間旅行の荷造りは、現在の
自分を見つめ直してみる勇気を
もつ事だと思う。

だから私はいつも荷造りして
おいて、こまめに、3種の時間
旅行をできるようにしたい。

そして、自分の死後、誰かに
感謝されるような人になるために
性格を改善できるのが
理想だと思う。


うーん、さすが!

この「時間旅行の荷造り」という
比喩がまた素晴らしい!

文句なしですね、この感想文。

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Ψ 甥のフレッドの善良さ

さて、今度はあなたの番です。
書けそうですか? 読書感想文。

パクリはダメなので、なんとか
自分なりのオリジナル感想文を
構想したいですね。


え? お前ならどうするか?

そうですねえ…たとえば登場人物のうち、
よくわからない人に目をつけるところ
から始めてみたらどうでしょう。


例を挙げましょう。

【第1節 マーレイの亡霊】が始まって
まもなく、「スクルージ&マーレイ商会」に
甥のフレッドが現れて、クリスマス・
パーティに招待しますが、スクルージは
「おめでたがる理由がどこにあるんだ」と
悪態をついて追い返します。

二人の会話の内容からすると、この甥は
毎年同じように招待して、同じように
追い返されているようなのですが、
一体なぜ毎年、懲りずに呼びに
来るのでしょうか。

偏屈の嫌われ者で、パーティに来ても
楽しくなるどころか、むしろ雰囲気を
ぶちこわしてしまう確率の高い人物だと
いうことは目に見えているのに、です。

クリスマスimages

【第3節 第二の精霊】で「現在」の精霊に
つれられて、スクルージはこのフレッドの
家のパーティーを覗くことになりますが、
そこでフレッドはスクルージを「気の毒に
思う」理由を話し、一同が「スクルージ
叔父さんに!」と乾杯します。

でも一同はフレッドの説明に納得した
わけではなく、「心の真底から善良
とされる彼の人徳になびいている
だけのようにも思われます。


そんな「心の真底から善良」なヤツなんて
小説の中にしかいないよ、ですって?

そうかもしれませんが、仮にそうだと
しても、彼はこの小説の救いなので、
その重要性を認めましょう。

そして、この、ほとんど現実ばなれした
善良な人物がなぜ存在し得るのかを
小説内部の論理で推論するなら、
理由は一つしか(私には)
思い当たりません。


それは彼が、スクルージ少年が愛しながら
早くにみまかった妹、ファン(Fan)の
唯一の子であることです。


Ψ 妹、ファン(Fan)の優しさ

【第2節 第一の精霊】でのスクルージは
クリスマス・イヴに一人だけ学校に残され
ている少年時代の自分を見ますが、そこへ
飛ぶように走り込んでくるのがこの妹。

「お兄さまをおうちへ連れに来たのよ!」
とはしゃいで接吻し、「これからずっと、
おうち」にいられるのよ、と笑います。

「お父さまは前よりずっとやさしく」
なったから、「お兄さまがおうちへ
帰られてもよろしいですか」と聞いたら
「いいとも」と言って「馬車でお迎えに
あたしをよこされたのよ」

あたしたちはクリスマスじゅう
いっしょにいられるのよ。
そして、世界中で一番楽しい
クリスマスができるわ。


「ほんの風の一吹きでもしぼんでしまう
ような、かよわい子」だったが、
大きな心をもっていたね!」と精霊が
言い、「そうです」とスクルージは
肯定します。

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フレッドが「心の真底から善良」なのは
この「大きな心」を受け継いでいる
からにちがいありません。

世の中の善意に背を向け、ひねくれた
箱のなかに偏屈に閉じこもってしまった
スクルージの心の扉を再びこじ開ける
には、彼もかつてこの「大きな心」に
溶かされ包まれたことがあった……その
感覚を再び生きてもらう必要があった、
ということではないでしょうか。


この理解が間違っていなければ、ファンと
フレッドの親子は、ほとんど一心同体の
2人として、この小説に不可欠の存在
だったということになります。



Ψ どう書く? 感想文

たとえばこのように、登場人物の誰かに
目をつけて、その人の言葉や行動の
意味をしっかり読み取りましょう。

そして、その意味について自分の経験や
性格に照らして思うところを書いて
いけば、きっと優秀な感想文に
なるはずですよ。


もちろん、ファンやフレッドでなくても
いいんですよ。

書記のボブ・クラチットやその家族、
あるいは先立った相棒のマーレイでも
書けそうですね。

ともかくやってみましょう。


え? どうにも思いつかない?

それじゃあ、しょうがない(苦し紛れに?)
”クリスマス・ストーリー”の代表的作品
というこの小説の地位に目をつけて、
クリスマスをめぐるいろんなトピック
(話題、ネタ)と関連づける、という
手もあるかもしれませんね。

その場合はこちらの記事などを
参考にしてください。
サンタクロースはクリスマスと関係ない?サンタ自身の回答は?
クリスマスプレゼントは靴下にって、なぜ?サンタの答えは?
サンタは煙突から入るって、なぜ?サンタクロースの答えは?
クリスマスツリーの由来は?漱石も読んだ英語教科書に学ぶ
サンタへの手紙を正調の英語詩で!漱石も読んだ教科書から
サンタはいる?いない?漱石少年も学んだ英語教科書に答え

クリスマスツリーkids_dragging_Christmas_tree_1914


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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