サクラさん
『ヴェニスの商人』って
どんな劇ですか?

ハンサム 教授
女が男になりすましての
ジェンダートラブルあり
生きた人間の肉を切り
取るという際どい
サスペンスあり…



息をもつかせない
傑作喜劇です!

サクラさん
ギョッ(叫び) 人間の肉を
切り取るって、なんで
またそんな…

ハンサム 教授
借金の担保として保証人
の肉1ポンドをもらう
という契約が成立して
いたからですよ。

サクラさん
そんなもの要求する
なんてひどい金貸し
ですね。

ハンサム 教授
そのシャイロックは結局
相手の肉は取れないわ、
財産は没収されるわの
さんざんなオチ。

金は返されていない
のに…ですよ;^^💦

サクラさん
オヨヨ(🐱) それはまた
不当では?

シャイロックの側から
見たらむしろ完全な
悲劇ではないですか。

ハンサム 教授
実際「かわいそう」と
いう見方もありますが、
これが喜劇として喝采
されてきたのは、彼が
ユダヤ人だということも
絡んでるんでしょうね。

サクラさん
ふ~む。差別も絡んだ
問題作悲喜劇という
ことですね(😿)


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というわけで、おなじみ”あらすじ暴露”
サービスも第176弾((((((ノ゚⊿゚)ノ

“感想文の書き方”シリーズとしては
253回になります。


今回はシェイクスピア喜劇中最大の
傑作にして問題作、『ヴェニスの商人』
(1596~98年)に挑戦です。
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さて、一口に「あらすじ」をといっても、
話の骨子だけでいいという場合から、
読書感想文やレポートを書くんだから、
ある程度詳しくないと……という場合まで、
千差万別でしょう。

そこで出血大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ

「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意しましたよ~(^^)у


ごく簡単なあらすじ(要約)

まずはぎゅっと要約した”ごく簡単”
ヴァージョンのあらすじ。

美しい遺産相続人ポーシャとの
結婚を望むバサーニオが、親友の
アントーニオに金の融通を頼む。

全財産が今は海上にあるという
アントーニオは、ユダヤ人の金貸し
シャイロックに借りさせ、自分が
保証人になる。

アントーニオを憎むシャイロックは
保証人の肉1ポンドを担保とする
(期限内の返済がなければ切り取る)
という証文に署名させる。

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   現在のヴェニス(ヴェネチア)  

バサーニオはポーシャの心を
射止めたものの、アントーニオの
船が難破し、借金返済は不可能に。

裁判となり、シャイロックは
あくまでアントーニオの肉を
切り取らせろと主張するが、
そこへ法学博士になりすました
ポーシャが登場。

審議の末、「肉は正確に1ポンド
だけ取れ。血は1滴も流しては
ならない」との裁定が下り、
さらにシャイロックは
アントーニオの「命を狙った」
罪により財産没収とされる。

実は沈んでいなかったアントーニオ
の船が帰港し、みな幸せになる。
(シャイロック以外は;^^💦)

なるほど、これは問題含み。

「シャイロックかわいそう」という
感想ももっとものようにも見えます。

でももう少し詳しい経緯を見て行かないと
本当にそうかどうかも言い切れない? 

そうでしょう、そうでしょう;^^💦


というわけで、問題の所在をよく理解し、
シェイクスピアの偉大さをしっかりと
味わいたければ、少々複雑で長くなっても、
実はもっと多い登場人物の相互関係や
入り組んだストーリーを解きほぐしていく
必要がありますね。

そこで「かなり詳しいあらすじ」の方を
読んでいただくことになります。

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その前に、どんな世界かチラ見する意味で
映画『ヴェニスの商人』(2004年。マイケル・
ラドフォード監督。アメリカ・イタリア・
ルクセンブルグ・イギリス合作)の予告編を
覗いておくのもいいでしょう。

アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、
ー、ジョゼフ・ファインズ…
という豪華キャストのヒット作です。



かなり詳しいあらすじ

さて、お待たせしました、
いよいよ幕開けです。

文中の「 」内と 印のある白い囲みは
原作和訳(ちくま文庫の松岡和子訳)
からの引用です。
  👇


はじめに念のために言っておきますと、
「ヴェニス」(Venice)はイタリアの
都市ヴェネチア(Venetia)の英語名。

それからタイトルの「ヴェニスの商人」
はすぐ後で出る金貸しのシャイロック
ではなく、アントーニオの方を指して
いますので、お間違いなきよう;^^💦。

  

そのほか”名言”として知られる言葉や
それが英語原文ではどういわれているか、
などについて👉印で注釈していますが、
不要と思われる場合はすっ飛ばして
行ってください。


【第一幕】

ヴェニスの有力な商人である
アントーニオのところへ、親戚で
親友のバサーニオが訪問し、
結婚資金の相談をもちかける。

大きな遺産を相続したベルモントの
美女、ポーシャがその相手だが、
富裕な求婚者たちと張り合って彼女を
手に入れるには財産が必要だと言う。


アントーニオは、いま自分の全財産は
航海中の商船上にあるが、自分への
「信用か好意」で金は手に入ると
請け合う。


ユダヤ人の金貸し、シャイロックを
訪ねたバサーニオは、アントーニオを
保証人として3000ダカットの金を
3か月間期限で借りたいと申し入れる。

アントーニオと会って話せるかという
シャイロックの問いに「一緒に食事を」
と申し出るが、「あんた方と一緒に
飲み食いはしない」と拒絶。

     

そこへ当のアントーニオが登場。


シャイロックは「あいつには我慢ならん」
などと独り言(傍白)でブツブツ言う。

「無利子で金を貸しやがって」
「俺の商売、俺の正当な儲けを
高利貸と抜かして悪態をつく」…

「神に選ばれた俺たちユダヤ人を
憎んでいる」キリスト教徒め、
今日こそは「積もり積もった恨みを
思い切り晴らしてやる」云々。


アントーニオはさっそく、自分は
「利息のやり取りなどしたことはない」
が、「友人の急場を救うためだ、
いつもの流儀は捨てることにする」
と口を開く。

シャイロックが利息について「金にも
どんどん子を産ませる」のがよいのだと
旧約聖書のヤコブの逸話を引用すると、
アントーニオいわく

聞いたか、バサーニオ、
悪魔も自分の都合次第で
聖書を引用する。

👉よく引用される名言の一つ。

原文は以下の通り。

Mark you this, Bassanio,
The devil can cite Scripture
for his purpose.


「どうなんだ、シャイロック、
融通してもらえるのか?」と返答を
迫られた金貸しは、一気に啖呵を
切って鬱憤を晴らす。
👉シャイロックのこの返答には
関西弁が好適だと考えた
シェイクスピア学者、中野好夫氏の
名訳から引用させてもらいます。

へえ、旦さん、アントーニオの旦さん、
あんさんはな、わてが金ェ貸して、
利息ゥとるいうて、ずいぶん
わてのこと、わやくそに
いわはりましたもんやで。

ほいでも、わてァ、じいっと
辛抱して黙っとりましてん。

罰当たりっともいわはりましたで。

人殺しやともいわはりましたで。

あんた、憶(おぼ)えてはりまっか、
このわての着物にな、唾ァ吐っかけた
ことかてありましたんやで。

へん、しょうむない、わてのもの、
わてが勝手に使うのん、なにが
気にくわんいうんやね。

それがどや、今日はわてんとこへきて、
金貸してくれェ言わはんのやろ。

阿呆かいな、ほんまに……
いつかはどや、このわてに痰唾ァ
吐っかけよって、なんのこたない、
ドラ犬でも蹴っ飛ばすみたいにな、
ポーンと足蹴にしよった
あんたやないか?

それがどや、今日?

話は金や、金貸せェ言わはんのやろ?

まだ続きます。全部読みたいと
思われましたら、ぜひこちらで。

ほんとに「面白い」本ですよ。
  👇



結局シャイロックは、利息は取らないが
約束の3か月以内に返金しなかった場合の
条件を書いた証文に判をついてくれれば
いいという。

すなわち「違約金がわりに、あんたの
その真っ白な体からきっかり1ポンド、
私の好きな部分を切り取る」と。

バサーニオが止めるのも聞かず、
アントーニオはこれを受諾。

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【第二幕】

 
「悪魔」のような主人シャイロックに
使われている召使いのランスロットは、
逃げ出してバサーニオに奉公。

彼とアントーニオの共通の友人である
グラシアーノ、サレーリオ、ソレーニオ
らと仲間になる。


シャイロックの娘ジェシカは、実はその
仲間の一人であるロレンゾーと恋仲で、
父とは「考え方は別」で「この家は地獄」
だから、彼と駆け落ちしようとしている。


ポーシャは、ベルモントの邸に求婚に来た
モロッコ大公に、金・銀・鉛の三つの箱の
どれかを選んでほしいと言う。

      

「私の絵姿が入って」いる箱を選べば、
その人と結婚するというのがを父の
遺言だから、と。

大公が選んだ金の箱に入っていたのは
髑髏(しゃれこうべ 💀)と「輝くもの
必ずしも金ならず」云々と書いた紙片。

大公は去り、ポーシャは安堵。


二人目の求婚者、アラゴン大公は
「我を選ぶ者、その者にふさわしき
ものを得ん」という銘の刻まれた
銀の箱を選ぶが、入っていたのは
阿呆の顔の絵で、彼もあきらめて去る。


【第三幕】

アントーニオの荷物を満載した船が
難破したとの知らせが入る。

   

「またもや貸し倒れだ」とぼやく
シャイロックは、駆け落ちしてしまった
娘ジェシカについても「当然地獄墜ちだ」
と罵倒する。

街で出会ったサレーリオから
「まさかあの人の肉を取りはしないだろう
――取って何の役に立つ?」と訊かれ、

魚を釣る餌になる。

腹の足しにはならんが、
腹いせの足しにはなる。
〔中略〕
俺の民族をさげすみ、俺の商売に
横槍を入れ、俺の友だちに水をさし、
敵を焚き付けた――理由はなんだ?

俺がユダヤ人だからだ。

ユダヤ人には目がないか。

ユダヤ人には手がないか、五臓六腑、
四肢五体、感覚、感情、喜怒哀楽が
ないのか?

👉まだまだ続きます。

受けてきたユダヤ人差別への鬱憤を
ここぞとばかりに晴らす長広舌。

特に名言とされる「ユダヤ人には目が…」
以下の部分の原文は以下のとおり。

Hath not a Jew eyes?
Hath not a Jew hands,
organs, dimentions,
affections, passions?


バサーニオはグラシアーノを伴って
ポーシャ邸を訪問し、「我を選ぶ者、
持てるすべてを手放し危険にさらすべし」
という銘の刻まれた鉛の箱を選ぶ。

中にはポーシャの絵姿があり、彼女は
今から私は「あなたのもの」だと言って
指輪を渡し、もしこれをなくしたり
したら「愛が滅びるきざし」として
非難すると宣告。


随行したグラシアーノは、実は
ポーシャの侍女ネリッサと恋仲にあり、
二人はこの場で自分らの結婚も
認めてほしいと申し出、認められる。


そこへサレーリオが、途中で出会った
というロレンゾー、ジェシカの二人を
連れて登場し、アントーニオからの
手紙をバサーニオに渡す。

「死ぬ前に一目会えたらと
思うばかりだ」云々。

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【第四幕】

ヴェニスの法廷。

ナイフを研ぎながら公爵の
話を聞くシャイロック。


バサーニオはポーシャに渡された
6000ダカットの金を提示するも、
シャイロックはこれを拒否し、
あくまでも「正義を通す」こと
(「証文どおり」の実行)を求める。


公爵は「この訴訟の裁定を依頼して
ある」ベラーリオ博士の到着を
待ちたいと答える。

そこへ、裁判官の書記に変装した
ネリッサが登場し、病床にある
ベラーリオからの手紙を渡す。

若いながら「成熟した頭脳をそなえた」
ローマの法学博士、バルサザーを
代わりに採用してほしいとのこと。

そこへバルサザーに変装したポーシャが
登場し、公爵の許しを得て当事者らに
尋問を始める。

       

議論の末、やはり「法を曲げることは
できない」とポーシャは結論づける。

シャイロックは「ダニエル様の再来だ!」
「実に博学な裁判官様だ!」とたたえ、
いよいよアントーニオの胸の肉を
切り取ろうとする。

が、ポーシャはそれを止める。

待て、しばらく、まだあとがある――
この証文はお前に一滴の血も
与えてはいない。

ここに明記されているのは
「肉一ポンド」。

従って、証文どおり、肉一ポンドを
取れ、だが、切り取るとき、もし
キリスト教徒の血をたとえ一滴でも
流せば、お前の土地も財産も
ヴェニスの法律にしたがい
ヴェニスの国庫に没収される。

👉「待て、しばらく」以下の名言、
原文では

Tarry a little, there is
something else.
This bond give thee no
jot of blood.

なお「ダニエル」は旧約聖書
「ダニエル書」の中心人物で、
優れた知恵を発揮した人。


愕然としたシャイロックは、先ほどの
申し出を飲んで「証文の三倍」で
手を打つと言う。

が、ポーシャはこれを認めず、彼に
与えるのは「正義だけ」、血を流さない
ことはもちろん、千分の一ポンドでも
余計に肉を切り取った場合は「その身は
死刑、全財産は没収だ」と裁定を下す。

   

ついにあきらめ、「元金を頂戴」して
引き下がると申し入れたシャイロックに、
ポーシャは法律をつきつける。

すなわち「生命を狙われたる市民は、
相手の財産の半分を取得し、他の半分は
国庫に収めるものとする」とあり、
お前はこの「相手」に該当する
というのだ。


「慈悲をかけてやるか」と公爵に
問われたアントーニオは、
以下のような希望を述べる。

  1. 財産の半分への罰金は免じる。

  2. 私に委託される残り半分は、
    彼の娘を盗み出した紳士
    (ロレンゾー)に譲る。

  3. この温情と引き換えに
    キリスト教徒に改宗する。

異存ないかと公爵に問われた
シャイロックは「ありません」
と認めて退場。


博士がポーシャだと気づかない
バサーニオは、シャイロックに返すはず
だった3000ダカットをお礼に受け取って
ほしいと申し出る。

ポーシャはお礼はいらないと謝絶しながら、
それほど言うなら「愛のしるし」にと
バサーニオのつけている指輪をせがむ。

それだけは…とバサーニオは断るが、
アントーニオから「頼む」と言われ、
渡してしまう。

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【第五幕】

ベルモントの邸。

ポーシャとネリッサの帰宅を
ロレンゾー・ジェシカ夫妻が迎える。

そこへバサーニオが、アントーニオ、
グラシアーノらを連れて登場。


指輪がないことを難詰されたバサーニオが
ベラーリオ博士にあげてしまったと
告げると、ポーシャはそれなら
その博士と寝ると言って夫を困らせる。

    

必死に許しを請うバサーニオに、実は
もう博士と寝て「それをまた私が
もらったの」とその指輪を見せる。

驚くバサーニオにポーシャは全てを話し、
アントーニオに対しては、あなたの船が
「積荷を満載してひょっこり港に戻って
きた」という知らせを伝える。

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シャイロックの”悲劇”

さて、いかがでした?

さすがシェイクスピア、やはりただの
ドタバタ喜劇ではなく、色々と複雑な
問題が絡み合っていることをご理解
いただけたでしょうか。


一つ一つ説明して行くとキリがないので
一つだけ挙げるとすると、やはり
【第四幕】の👉でもふれました、悪役の
ユダヤ人、シャイロックの扱いという
ことになるでしょうね。

最後、裁定に対して異存はないと認め
「証書はあとで届けてくれ、そうしたら
署名する」とだけ言い残し、すごすごと
消え去るこの人物…。


でも、どうなんでしょう。

本当は「そんな裁定は屁理屈だ!」と
シャイロックは叫び出したかったのでは
ないでしょうか。

実際、もしこれが現代の法廷であれば、
肉を切れば血が流れるというようなことは
自明の合意事項とみなされ、「ポーシャの
たくみな屁理屈も、かならず却下されていた
にちがいない」と、現代の高名な批評家、
テリー・イーグルトンも断定しています。



シャイロックがここで引下がってしまう
のは、その意味では不可解ですが、
これはおそらく、ここで正論を主張しても
この屁理屈に勝てないと観念したから。

もちろんそれは「ユダヤ人」という
彼の弱い立場に関わっています。


ともかく、みんなが幸せになるハッピー
エンドが基本の喜劇にあって唯一、
逆に不幸に突き落とされているのが
このシャイロックですね。

かれ自身の側から見れば、この物語、
完全な”悲劇”なわけで、この意味で、
シェイクスピア喜劇中の最高作とも
いわれる『十二夜』のマルヴォーリオに
通じるともいえます。
👉『十二夜』とその”悲劇”的人物
マルヴォーリオについては
こちらをご参照ください。

十二夜(シェイクスピア)のあらすじ【人物相関図つきで詳しく】

        


シャイロックのこの”悲劇”性にこそ
心を打たれた人は、けっこう昔から
いたようです。

たとえば自身もユダヤ人であるドイツの
詩人・評論家ハインリヒ・ハイネは、
1827年ロンドンでの『ヴェニスの商人』
観劇の経験をこう報告しています。

私の背後の席に、美しい
イギリスの婦人が蒼白になって
立つていた。

四幕の終る頃、彼女は激しく
泣きだした。

そして何度も口に出して『可哀そうに、
あの人は不当な扱いを受けている』
と叫んだ。

彼女はギリシャ風の彫りの深い高貴な
顔立ちで、目は黒く大きかつた。

私はあの目を忘れることはできない。

シャイロックのために涙を流した
あの黒い大きな目を。

(引用元:一橋大学機関リポジトリ

この女性もまたユダヤ人であったか
どうかは不明ですが、「ギリシャ風の
彫りの深い高貴な顔立ちで、目は黒く
大きかつた」という記述に、多分
ユダヤ人だろうというハイネの推測を
読むこともできそうです。

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ユダヤ人vs.キリスト教徒

さてこの”ユダヤ人”ですが、『グリム童話』
にも「いばらの中のユダヤ人」という
悪いユダヤ人が結局しばり首になる
物語があるくらい。

一般のヨーロッパ人からすれば、彼らは
“金にがめつい、あくどい奴ら”として
差別されるのが当然と見なされてきた
わけです。

シャイロックが口にする「キリスト教徒」
というのは、こういう”一般のヨーロッパ人”
のことをユダヤ人側からそう呼んでいる
だけで、別に信心深い人たちとかいう
意味ではないのですね。


つまり自分らはユダヤ教徒で、
信じるのは『旧約聖書』だけ。

そしてそこにはユダヤ人こそ選民だと
明記されている…というわけです。


『新約聖書』のイエス・キリストをたたえる
キリスト教徒とは、だからあくまでも融合
できないのですが、その衝突がこの劇では
「利息を取る/取らない」の経済問題の
形を取っているとも言えそうです。

   

この問題で、さてどちらが近代的かと
いえば、もちろん「利息を取る」方。

これをあえて「取らない」という
アントーニオらの経済行為はマックス・
ウェーバーのいう「身分契約」(または
兄弟盟約)という前近代的形態だ
という話にもなります。


というわけでこの劇は、近代的な貨幣経済を
代表するシャイロックらと「兄弟盟約」で
結ばれたアントーニオらとの間での金品の
「交換」での問題を主筋を構成します。

そしてそこにポーシャら「異邦の女たち」
という第3のグループが絡むことによって
さらにスリリングなドラマが展開する
ことになるんですね。

このへんの構造を見事に分析したのが
経済学者岩井克人さんの名著
『ヴェニスの商人の資本論』でした。
  👇



ともかくこの傑作『ヴェニスの商人』から
2年後に『十二夜』を書いたシェイクスピアは
同じ1600年に『ハムレット』を書き、続いて
『オセロー』『リア王』『マクベス』と
四大悲劇の円熟期に入って行きます。
👉この四大悲劇をはじめとする
シェイクスピアの名作については
こちらで情報提供しています。

どうぞご参照ください。

シェイクスピア ロミオとジュリエットのあらすじと名言 感想文はこれで

シェイクスピア ハムレットのあらすじ 簡単/詳しくの2段階で

リア王のあらすじ(簡単/詳しく) 👀シェイクスピア悲劇のフーガ

          

シェイクスピア マクベスのあらすじ 簡単/詳しくの2段階で

シェイクスピア オセロのあらすじ ☯漱石講義のコメントつきで


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👻シェイクスピアの本:ラインナップ👻
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👉それからもしシェイクスピア云々
よりユダヤ人問題の方に関心が
あるという方は、ぜひこちらも
ご参照ください。

キャバレー(映画)のあらすじ ミュージカルを超える名作だ!

夜と霧 あらすじと感想文/レポートの書き方【2000字の例文つき】

        


まとめ

さあ、これでもう大丈夫ですよね、
感想文だろうがレポートだろうが…。

え? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でも具体的に、どう
進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

👉当ブログでは日本と世界の多くの
作品について「あらすじ」や「感想文」
関連のお助け記事を量産しています。

お役に立ちそうなものをこちらの
リストから探してみてくださいね~(^^)у

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょ~~(^O^)/

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