夏目漱石 こころの感想文どう書く?【800字/400字例文つき】


サクラさん
夏目漱石の『こころ』で
読書感想文を書こうと思うん
ですが、何を書けばいい
でしょうか(😿)

ハンサム 教授
親友のKが自殺してしまう
というコトの成り行きに
ついて、どう思います?

サクラさん
う~ん、主人公は自分ばかり
責めている感じだけど、
実際は周りにも責任が
あるんじゃないか…。

ハンサム 教授
「周り」って、特にだれ?

サクラさん
わたしは女性として
「お嬢さん」の振る舞いが
気になります。

    

Kのこと、好きだったん
でしょうか。

ハンサム 教授
微妙ですよね。

そのあたりで、自分の思う
ところを書いてみれば?

サクラさん
なるほど…

でも感想文って苦手。
どう書いていいかわから
ないんです👅

ハンサム 教授
しようがないなあ;^^💦

では、これからお手本を
見せてあげよう。


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というわけで、”感想文の書き方”シリーズ
第1回((((((ノ゚⊿゚)ノは
夏目漱石の『こころ』(1914)で参ります。




もちろん全文を読んだ方がいいんですが、
高校現代文の教科書の載っている部分
だけでも、しっかり読めば感想文は
書けないわけではありません。

え? それも面倒?

そういう人はせめてこちらの記事で
「あらすじ」を頭に入れて起きましょう;^^💦

夏目漱石 こころのあらすじ:「簡単/詳しい」の2段階で解説

                             

💞 感想文の例(800字)

はい、ストーリーがしっかり理解でき
ましたら、さっそく感想文に
取り組みましょう。

まずはこの私、サイ象が字数制限
800字(400字詰め原稿用紙2枚)の
感想文を作成してみましたので、
じっくりお読みいただければと思います。

 夏目漱石の『こころ』は三部からなる
小説で、上・中で「先生」と呼ばれる
中年の男性が、「下 先生と遺書」で
大学時代の恋愛とその過程で起こった
親友Kの自殺の経緯などを語る。

Kの遺書には言及がなかったとはいえ、
彼の死は、下宿のお嬢さんへの恋を
「私」に打ち明けた直後にその「私」が
彼を出し抜くように求婚して婚約を
決めてしまってからのことなので、
この失恋が無関係だったはずはない。

親友を裏切る形になった「私」は
結婚後も長年にわたってKの自殺の
ショックを引きずり、結局は自分も
Kの後を追う決意を固めてしまうのだ。

       

 「上 先生と私」での「先生」は
まだ死ぬ気はなかったわけだが、
妻(下での「お嬢さん」)は「先生」が
結婚後にむしろ暗くなったことに悩み、
家に出入りする若い「私」に「人間は
親友を一人亡くしただけで、そんなに
変化できるものでしょうか」などと
問いかける。

つまり彼女はKの自殺に至るまでの
経緯やその間の「先生」の心理について
まったく知らないままなのだが、私は
ここに違和感を感じるのだ。

 もし彼女が「先生」と同じか、それに
近いぐらいにKを愛していたのなら、
自殺された際のショックが描かれない
はずはないから、それはないだろう。

とすると、残る問題はなぜ彼女はKが
恋心を抱くほどに接近し親しくしたのか
ということだ。

   

実際、Kが「先生」に恋心を打ち明ける
直接の引き金は百人一首で彼女がKに
露骨に加勢したことだし、それ以前
にもたびたびKの部屋で話して笑ったり
していたのだが、婚約の決まり方などから
みると、彼女のこうした行為の目的は
あくまで「先生」を引き寄せることで
あって、Kをどうこうしたかった
わけではない。

 当時の女性の生き方としてそれは
責められないとしても、不思議なのは、
そのような自分の行為とKの自殺とを
関係づける発想が彼女にはないらしい
という点である。

この疑問を残すところが『こころ』の
欠点ではないだろうか。
           (797字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


ん? これでは長すぎる?

なにしろ400字以内で書くという
宿題だから?

それなら上の800字から「あらすじ」
部分などはカットして、ギュッと
半分に縮めればいいんですよ。

たとえばこんなふうに。


💞 感想文の例(400字)

 『こころ』で衝撃的なのはKが自殺
してしまうところだが、これは下宿の
お嬢さんをめぐる三角関係で親友の
「先生」に裏切られる形になった
ことを引き金としている。

「先生」はこのことに長年、苦しみ、
結局は自分も死ぬことに決めてしまう
のだが、私が違和感をもつのは、
「先生」のこの苦悩の詳細について
妻になった「お嬢さん」がまったく
理解しないままに終わることである。

            袴055018

 というのも、人が自殺してしまう
ほどの壮絶な三角関係が発生した
原因の、少なくとも一つに、彼女が
Kに必要以上に接近して恋愛感情に
火をつけてしまったということが
あるのは明白と思うのだが、彼女は
結婚後、何年たってもそのことを
まるで認識しないようなのである。

Kへの接近が「先生」の求婚を
早めるための方策だったとしても、
それ自体は女性によくあることで、
私は咎めようと思わない。

ただ自殺という結果を見てなお
責任を感じていないのはいささか
不思議のように感じるのだ。
           (399字) 
   
どうです?

みごと400字に縮めたでしょう。

これももちろんコピペはダメですが、
適宜、変更して使ってください。

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💞 善人が「急に悪人に変わる」

さて、上の2つの感想文は長さが違う
だけで、主張の内容はほぼ同じです。

これらに同感だと思う人は、言葉遣いや
文体を変えながら書き直して自分なりの
感想文を仕上げてもらっていいんですが、
同感しないという人もいるでしょうね。


そういう人は上記感想文への反対意見を
展開してもらってもいいですし、また
全然別の問題を採り上げて論じて
もらってもいいわけです。

ん? それにしても、何をどう
書いたらいいのか分からない?

          

はいはい、それでは考えるための
ヒントとして、後半の悲劇に向けての
重要な伏線になっていると思われる
「先生」の発言を「上 先生と私」から
拾っておきますね。

慕い寄る学生の「私」に先生は
こう諭します。

悪い人間という一種の
人間が世の中にあると
君は思っているんですか。

そんな鋳型に入れたような
悪人は世の中にあるはずが
ありませんよ。

平生はみんな善人なんです。

少なくともみんな普通の
人間なんです。

それが、いざという間際に、
急に悪人に変わるんだから
恐ろしいのです。
       (二十八)

      
       

後に先生が彼に渡す長い遺書は
この意味での「悪人」が私だ、
と告白したものだとも読めますね。

このあたりの文章を使って自分なりの
人間観、善悪観を述べていくことが
できれば、きっとよ素晴らしい
感想文になりますよ。

善人が「急に悪人に変わる」
という言い方から、R・L・
スティーヴンソンの名作
『ジキル博士とハイド氏』を
連想した人もあるかもしれません。

この作品、実は「善/悪」の交替
という主題のほかに、小説の
構成においても、後半に主人公の
長い手記が置かれて、そこで
すべての謎が明かされるという
点でも似てるんですね。

2つの作品を比較すれば、さらに
高度な感想文になるかもしれません。

詳しくはこちらを参照してください。

ジキルとハイドのあらすじ:スティーヴンソン原作を結末まで
      
             


💞 まとめ

これを機に少し勉強して、作者漱石が
どんな人で、学者としては何を勉強して
いたのか…といあったことを押さえてから
書ければ、さらにすぐれた感想文に
なるかもしれせん。

こちらの記事も参考に
していただければと思います。

漱石の名言でたどる恋愛💛『吾輩』猫が読み直す『こころ』etc.
シェイクスピアのオセロを講義:漱石の名言「白砂糖の悪人」?
漱石『こころ』のお嬢さん問題と河合奈保子「けんかをやめて」
漱石「月が綺麗ですね」の出典は?I love youはこう訳せ

       audrey original

それから映画などを見て参考に
するのもひとつの手ですね。

そこには映画作者(監督)の原作
「解釈」がはっきりと現れます。

それが自分の「解釈」と違う場合、
それについて考え、突っ込んでいけば
それもまた高度な感想文になりえます。


たとえば市川崑監督『こころ』(1960)👇



絶頂期の新珠三千代さんに(彼女の美貌
だけでも一見の価値あり)、往年の名優
森雅之さん(先生)、三橋達也さん
(K)がからみます。

ただ、帝国大学図書館で女学生が
勉強してるのが残念(/_;)/~~
(この時代、ありえんだろ)

   OLYMPUS DIGITAL CAMERA
東大構内の心字池(三四郎池)

 

この池が出てくる漱石作品
『三四郎』をめぐっては、
こちらの記事をどうぞ。

夏目漱石 三四郎のあらすじ:「簡単/詳しい」の2段階で解説
漱石 三四郎で感想文:美禰子の愛は?”無意識の偽善者”とは?
漱石『三四郎』:白い雲を見る二人の小津安二郎的ショット”

また「高等遊民」とか、三角関係の
テーマについては、『三四郎』の続編
とされる『それから』『門』を
扱ったこちらの記事どうぞ。

漱石 それからのあらすじ:簡単/詳しくの2段階で解説
門(夏目漱石 )の簡単なあらすじと小論文へのヒント
門(夏目漱石)の詳細なあらすじ:登場人物に入り込んで解説

またそのほかの漱石作品については
こちらで。

夏目漱石 草枕のあらすじ ∬感想文に向けて内容を解説
夏目漱石 草枕:冒頭の名言を意味付きで解説「智に働けば…」
漱石の夢十夜で感想文?第一夜のあらすじと考え方から
漱石 夢十夜のあらすじと解釈:第三夜で感想文ならどう書く?
夏目漱石 夢十夜:第六夜のあらすじと解説:運慶が生きている?

              015449


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ともかく、どこかにネタを見つけて、
それを自分の問題に引きつけて
書いてみましょ~(^^)y

当ブログでは、上記の漱石関連のものを含め、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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2 Responses to “夏目漱石 こころの感想文どう書く?【800字/400字例文つき】”

  1. より:

    この感想を見てもお嬢さんを悪者にしたいんだなという感想しか出てこない。女性にはよくあるって自分のこと?まるで女性への偏見。
    むしろ自殺をした先生の方が無責任だと思う。

  2. サイ象 より:

    は さん

    ご意見ありがとうございました。

    《Kへの接近が「先生」の求婚を
    早めるための方策だったとしても、
    それ自体は女性によくあることで、
    私は咎めようと思わない。》

    という女性観がもし私の完全な「偏見」であれば、たいへん嬉しいのですが、古今東西の文学・演劇・映画etc.にこういう女性はあまりにも多く描かれているものですから…すみません;^^

    もちろん女性はみんなそうだなんて言いたいわけではありません。

    「自殺をした先生の方が無責任だ」というのはまた別の論点になりますが、こういう風に問題がどんどん出てきてとめどもないところが『こころ』の凄さだともいえるんじゃないでしょうか。

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