やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第24回、
今日は特別大サービスとして、感想文
“以前”の「あらすじ」暴露。

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読者さんにかわって要約する安直
“出血”サービスをやっちゃいます。

扱う作品も、もろ”出血”する(ドクロ)。
夏目漱石の『こころ』(1914)。




ただ、求められている読書感想文も
長さや課題内容など、色々でしょうから、
必要な「あらすじ」の詳しさの度合いも
違ってきますよね。

そこでまた”出血”大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ

「ごく簡単」「やや詳しい」の2つの
ヴァージョンを提供したいと
思うんです(ニコニコ)。

ごく簡単なあらすじ(要約)

この『こころ』という長編小説、
「上 先生と私」「中 両親と私」
「下 先生と遺書」の三部に
分かれています。

    
    朝日新聞連載第1回の『心』

高校の現代文の教科書によく
載せられているのは、
たいてい「下 先生と遺書」の
サワリの部分のみ。

なので、読書感想文を書こうというには、
やはり全体の「あらすじ」を知る必要が
あるわけですね。

上 先生と私
時は明治末期。

夏休みに鎌倉に海水浴に来ていた
大学生の「私」は、そこで出会った
「先生」と交流を始め、東京に
帰った後も先生の家に出入りする。

先生には毎月、友達の墓に参るなど
謎が多く、奥さんさえ理解に苦しんで
いることを私は徐々に知っていく。

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過去の「悲劇」を嗅ぎ付けた私が
それを打ち明けるよう迫ると、
先生は時が来れば話すと約束する。

重病の父を見舞いに帰省した私は、
正月すぎにまた東京に戻り、
大学を卒業してまた帰省する。

中 両親と私
父が腎臓病を悪化させたため、
私は東京へ帰る日を延ばし、
実家には兄など親類が集まる。

容態がいよいよ危機に瀕したところへ、
先生から分厚い手紙が届く。

読み始めて、それが先生の遺書だと
気づくと、私は東京行きの
汽車に飛び乗る。

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下 先生と遺書
「私」一人に宛てた遺書として
綴られた「先生」の長い手紙。

生い立ちから始めて、結婚するまでの
大学生時代の恋愛の経緯を語る。

現在の妻は当時の下宿の「お嬢さん」
であり、現在、墓参する亡友(「K」と
仮称される)にも思いを寄せられていた。

Kはこの思いを私(先生)に打ち明け、
私はその直後にKを出し抜いて求婚し、
受け入れられた。

その直後にKは自殺。

明治が終わり、乃木大将も自殺した
ことを受けて、自分も自殺することに
決めたが、Kの自殺に至る経緯は
妻に知らせないままにしてほしい……。

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やや詳しいあらすじ

さて「上」「中」「下」のストーリーを
要約してみましたが、感想文を書くという
場合、本格的な論文を書こうとかいうので
なければ、「下 先生と遺書」についてだけ
考えても感想文は書けるでしょう。

という判断で、「やや詳しい」ヴァージョン
のあらすじは、「下 先生と遺書」だけを
詳しく語り直したものとさせて
いただきます;^^💦

✉【下 先生と遺書】

私の生家は地方の資産家であったが、
両親を早く亡くしため、叔父に面倒を
見てもらって育ち、上京して大学
(当時は「大学」といえば東京帝大
しかない)に進む。

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     現在の東京大学構内  

が、その叔父に財産の大半を横領
されていることにやがて気づき、
極度の人間不信に陥る。

その後、軍人の未亡人の家に下宿する
ことになったが、その家の美しい
お嬢さんに惹かれることで心を
和ませていく。

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そのころKという大学の友人が
養家を勘当され苦境にあることに
同情し、かつ家にはもう一人を置ける
スペースがあったので、奥さんに
反対されながら、それを押し切って
Kを同じ家に下宿させる。

学問ひとすじで、滑稽なほどの堅物で
あったKも、やがてお嬢さんに心を
溶かしたか、二人は部屋で話したり、
いっしょに街を歩いたりするようになり、
私は嫉妬や焦燥で心を乱す。

  

ある日、Kは私にお嬢さんへの恋心を
告げ、私は「精神的に向上心のない
者は馬鹿だ」という、かつてKが
私に放った言葉を返す。


私は、そのKには何も言わないまま、
出し抜くような形で奥さんに
「お嬢さんを下さい」と結婚の申し
込みを行い、「よござんす。差し上げ
ましょう」とただちに許諾される。

「本人が不承知の所へ、私があの子を
遣る筈がありません」と奥さん。


このことを奥さんから聞かされたKは、
「何かお祝いを上げたいが、私は金が
ないから上げることが出来ません」
といい、その二日後の夜、自室で
頸動脈を切って死ぬ。

   

その後、私はお嬢さんと結婚して
今日に至るが、妻は私を理解しきれない
ことに苦しみ、また私も信愛する妻に
理解されない悲しみを抱えている。

その根っこには、Kの自殺の経緯を
妻が知らないいままだということがある。
  

種々思い悩むうち、Kも今の自分の
ように「たった一人で淋しくって
仕方がなくなった結果」死を急いだ
のではないかと疑い、ぞっとする。

やがて明治が終わり、乃木大将の
遺書に感銘を受けた私は、ついに
自殺の決心をする。

「私は私の過去を善悪ともに
他(ひと)の参考に供するつもり」
だが、妻だけは「たった一人の例外」
として、何も知らせないでほしい。

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さあ、書けるかな?

当「感想文の書き方」シリーズで
たびたび力説してきたことですが、
よい感想文を書くためには、
まずポイントを絞る必要があります。

ですので、上記のストーリーのうち、
自分がいちばん引っかかる部分にこだわり、
それについてよく考えてみる必要があります。

だから結局は作品そのものを読んでみる
しかないのですが、全文を読む時間のない人は、
上の「あらすじ」からして、自分の書きたい
ポイントはだいたいこのへんに出るだろうと
当たりをつけて探してみればいいんですよ。

  

たとえば、Kとお嬢さんが仲良くなって
「私は嫉妬や焦燥で心を乱す」という部分
なんて面白そうじゃないですか;^^💦

御嬢さんのKに対する種々の働きかけ
(先生を前にしての親切さや笑いなど)は
結果的にKを(ひいては先生をも)死に
追いやることになったともいえるでしょう。

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それは「無邪気」なものだったのか、
それとも意識された「技巧」なのか。

これは先生が自ら迷ったと書いている
か(下 三十四)ように、どちらともとれる
“謎”の一つですから、これについて自分は
こう思うという意見を(どちらでもいいので
根拠を示して)述べていけば、しっかりした
感想文になるはずですよ。
👉お嬢さんの「笑い」は「無邪気」か
それとも「技巧」か❔

この問題はこちらで追求しています
ので、ぜひご参照ください。

こころ(漱石)のお嬢さんはなぜよく笑う?先生はそれが嫌いだった?

              


ともかく先生がお嬢さんについて「嫌い」
という表現を連発していることも事実で、
こういうマイナスの感情と「猛烈」とも
書かれている愛情(下 三十四)とのバランス
は結構あやうい状態だったのかもしれません。

だとすると、何かの拍子でもしこの
バランスがマイナスの方に傾いていたならば
あの「悲劇」も避けられたのに…
という想定も可能になってきます。

それがなぜ「愛⇒求婚」の方へと
一気に傾いてしまったのか❓

    

その引き金になったのは、Kから直接に
恋心を打ち明けられて先生が焦ったこと
ですが、Kの恋のこの急激な膨張は、
お嬢さん側からの積極的な働きかけなし
にはおよそ発生不可能なことでした。

はたして「無邪気だった」で押し通せる
のかどうか…
👉『青い文学シリーズ こころ』
(小畑健原案)のお嬢さんはおよそ「無邪気」
どころの話ではなく、強引にKの手を胸に
当てさせるばかりか、自ら彼の布団に
もぐりこむ(隣室で眠る先生に気づかれぬ
まま!)という、これまた思い切った
変形のほどこされた人物です。
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それにしてもこの作品でのKが長身
(というかほとんど巨大)なのはいいと
しても、「容貌」で「女に好かれる
よう」には私には見えないのですが、
女性読者のみなさんはまた違う見方を
されるのでしょうか❓

      
      お嬢さんに接近されたK(出典:twitter;ゆの


👉最近では、そもそもKが自殺して
しまうのは、お嬢さんの取り合いに
敗れたからではなく、御嬢さんに
先生を取られたからだ、という
まことに斬新な解釈も出てきています。

この”BL/腐女子”的珍説を使ってみる
のもいいかもしれません。

こちらを参考にしてください。

こころの先生とKとはBL?腐女子による漱石新解釈で名言も見直すと…

              

そのほかこちらの記事も参考までに。

夏目漱石『こころ』:”感想は書かない”感想文《虎の巻》

漱石『こころ』のお嬢さん問題と河合奈保子「けんかをやめて」     


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あるいは文章の一字一句にこだわって
みるのも面白いかもしれませんよ。

たとえば「私」と書いてあるのは
「わたし」と読んでいいのか、
それとも「わたくし」と読むべきなのか
…とか。
👉これ、実は新聞初出と初刊の
単行本とで口違っているんです。

こちらの記事で詳しく探求して
いますので、ぜひご参照ください。

「私」の読み方はわたし?わたくし?漱石『こころ』の「私」はどっち?

        



え? そんな細かいことでなく、
夏目漱石という人の全体像を知りたい?

👉それでしたら、まずこちらの
記事などをご覧ください! 

漱石の名言でたどる恋愛💛『吾輩』猫が読み直す『こころ』etc.

漱石「月が綺麗ですね」の出典は?I love youはこう訳せ

    


ともかく『こころ』ばかりでなく
漱石のほかの作品を読んでみて、
内容や雰囲気の違いについて考える
というのもいい方法ですね。

人に差をつける高度な感想文に
なる可能性大ですよ。
👉そのほかの漱石作品については
こちらでお探しいただければ
と思います。

夏目漱石のおすすめの本は?小・中学生からシニアまで人生経験の段階別

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夏目漱石の本:ラインナップ


また当ブログでは、上記の漱石関連の
ものを含め、日本と世界の種々の文学
作品について「あらすじ」や「感想文」
関連のお助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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