美女と野獣で感想文を書こう【1200字の例文つき】映画から原作へ
サクラさん
読書感想文の宿題を
『美女と野獣』で
やろうかな…と。
『美女と野獣』で
やろうかな…と。
ハンサム 教授
ボーモン夫人の
童話ですね。
童話ですね。
サクラさん
いえ、ディズニー
映画です(😸)
映画です(😸)
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ハンサム 教授
それじゃあ読書感想
文にならないじゃ
ないですか;^^💦
文にならないじゃ
ないですか;^^💦
サクラさん
でもストーリーは
だいたい同じだから
読んだことにして
書いちゃえるんじゃ
ないかと…(😹)
だいたい同じだから
読んだことにして
書いちゃえるんじゃ
ないかと…(😹)
ハンサム 教授
原作も長くはないんだ
から読みましょうよ。
でも、映画だけ見て
書くってのも不可能
じゃないだろうね;^^💦
から読みましょうよ。
でも、映画だけ見て
書くってのも不可能
じゃないだろうね;^^💦
サクラさん
へへ(👅) それで聞き
たいんですが、村人
や貴族の間にアフリカ
系の人が混じってる
のは原作通りなん
ですか?
たいんですが、村人
や貴族の間にアフリカ
系の人が混じってる
のは原作通りなん
ですか?
ハンサム 教授
まさか;^^💦
あれは保守的で差別的
と批判されてきた
ディズニーが「もう
差別してませんよ~」
と叫ぶ( )世間向け
のアピールでしょう。
あれは保守的で差別的
と批判されてきた
ディズニーが「もう
差別してませんよ~」
と叫ぶ(
のアピールでしょう。
サクラさん
はは~ん、そういう
ことですか。
その問題に絡めて
書こうかと思ったん
ですよ。
だって”人の見かけが
重要かそうでないか”
というのはまさに
原作の主題でも
あるのでは?
ことですか。
その問題に絡めて
書こうかと思ったん
ですよ。
だって”人の見かけが
重要かそうでないか”
というのはまさに
原作の主題でも
あるのでは?
ハンサム 教授
なるほど、それは
よい着眼ですね。
よい着眼ですね。
というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第243回はボーモン夫人版
(1756)またはヴィルヌーヴ夫人版
(1740)の『美女と野獣』!
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どうしても読むのが面倒なら、これを
ディズニー映画(エマ・ワトソン主演、
2017年)で代用してしまおうという
いささか安直な企画です。
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その紹介動画をご覧ください。👇
あらためてポイントを整理したい
とかの人は、こちらで
ストーリーをインプットして
くださいね。
・美女と野獣 原作のあらすじ ディズニーとの違いを結末まで
さて、これで話の流れはわかって
もらえたでしょうから、さっそく
感想文に取りかかりましょう。
今回は字数制限1200字での読書感想文を
要求された高校生のサクラさんが
ハンサム教授のアドバイスを受けながら
なんとか完成させた文章を
お目にかけましょう。
教授の助けがあっただけに、さすがの
仕上がり、読書レポートあるいは批評文
としても通用しそうな、かなり高度な
感想文になっていると思います。
それでは、じっくりとどうぞ。
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読書感想文『美女と野獣』(1200字)
ボーモン夫人の『美女と野獣』を
読んでみる気になったのはディズニーの
実写映画『美女と野獣』を見て驚いた
点があり、原作はどうなのかを
確かめたくなったからだ。
驚いたのは、ヒロインのベルの住む村や
王宮の舞踏会に集う人々を演じる
俳優に、アフリカ系としか見えない人が
かなり多く混じっていたことである。
ボーモン夫人の作品は18世紀半ばの
出版であり、素材になった伝説は
もっと古い。
18世紀以前のフランスの一般市民や
貴族のうちにアフリカ系の人も
いたのかと目を疑ってしまったのだ。
そこで目を皿のようにして
ボーモン夫人作を通読したのだが、
人種への言及などは一切なかった。
それなら、登場人物はすべて当時の
フランスにいたはずの白人にするのが
自然であって、アフリカ系俳優を
使うのはディズニー映画の作為と
見るほかない。
なぜそのような作為が行われるのかに
ついて色々と調査してみると、どうやら
これは、ディズニー映画の傾向として
従来から「保守的」との指摘があり、
時には「人種差別的」との批判さえ
受けてきたことへの配慮らしい。
つまり「人種差別的ではない」
というアピールなのだろう。
だが、アフリカ系俳優が一人や二人
ではなく、また特に舞踏会などで華麗に
歌い踊る女性に何人も採用されて
いるのを見せつけられると、私は
正直なところ、げんなりした。
ここまでやられると、「ほらほら差別
してないでしょ。だからもう文句
言わないでね」と釘を刺すようで、
むしろイヤ味に感じる。
それに加えて気になるのは、映画で
こういう”見せ方”をすることが、
はたして原作あるいはその素材と
なった民話の心、というかメッセージに
かなうものなのか、ということである。
つまり原話の教訓は明快で、要するに
「人を見かけで判断してはいけない
(特に娘が結婚相手を受け入れる
場合)。人の心の中身は外見と
全然関係ないのだから」という
ことだろう。
しかるにディズニー映画『美女と
野獣』が登場人物の人種的外見に強い
こだわりを見せたのは、はたしてこの
精神に合致したものといえる
のだろうか。
製作者側は合致していると強弁するか
もしれないが、私にはそう思えない。
人間の中身が外見と関係ないのなら、
俳優の人種について作為を持ち込む
必要もまたないのではないだろうか。
自然にフランス人らしく見える人を
使えばよかったと思う。
もっともそういうことを言い出せば、
醜い野獣が最後に美しい王子に戻る
というのがそもそも原話のメッセージに
沿わないという気もしてくる。
野獣は醜いままで、ヒロインはその醜い
男を夫として受け入れてこそ教訓は
説得力をもつのではないだろうか。
子どもに現実を教えるにはそれが
正当だと私は思うが、しかしそれでは
“夢”がなく、”お話”にならないので、
映画にもできないということもわかる。
そうであればアフリカ系の俳優たちも、
ラストでは野獣の変身と同時に白人に
変化するということにしても面白かった
のではないだろうか。
(1199字)
読んでみる気になったのはディズニーの
実写映画『美女と野獣』を見て驚いた
点があり、原作はどうなのかを
確かめたくなったからだ。
驚いたのは、ヒロインのベルの住む村や
王宮の舞踏会に集う人々を演じる
俳優に、アフリカ系としか見えない人が
かなり多く混じっていたことである。
ボーモン夫人の作品は18世紀半ばの
出版であり、素材になった伝説は
もっと古い。
18世紀以前のフランスの一般市民や
貴族のうちにアフリカ系の人も
いたのかと目を疑ってしまったのだ。
そこで目を皿のようにして
ボーモン夫人作を通読したのだが、
人種への言及などは一切なかった。
それなら、登場人物はすべて当時の
フランスにいたはずの白人にするのが
自然であって、アフリカ系俳優を
使うのはディズニー映画の作為と
見るほかない。
なぜそのような作為が行われるのかに
ついて色々と調査してみると、どうやら
これは、ディズニー映画の傾向として
従来から「保守的」との指摘があり、
時には「人種差別的」との批判さえ
受けてきたことへの配慮らしい。
つまり「人種差別的ではない」
というアピールなのだろう。
だが、アフリカ系俳優が一人や二人
ではなく、また特に舞踏会などで華麗に
歌い踊る女性に何人も採用されて
いるのを見せつけられると、私は
正直なところ、げんなりした。
ここまでやられると、「ほらほら差別
してないでしょ。だからもう文句
言わないでね」と釘を刺すようで、
むしろイヤ味に感じる。
それに加えて気になるのは、映画で
こういう”見せ方”をすることが、
はたして原作あるいはその素材と
なった民話の心、というかメッセージに
かなうものなのか、ということである。
つまり原話の教訓は明快で、要するに
「人を見かけで判断してはいけない
(特に娘が結婚相手を受け入れる
場合)。人の心の中身は外見と
全然関係ないのだから」という
ことだろう。
しかるにディズニー映画『美女と
野獣』が登場人物の人種的外見に強い
こだわりを見せたのは、はたしてこの
精神に合致したものといえる
のだろうか。
製作者側は合致していると強弁するか
もしれないが、私にはそう思えない。
人間の中身が外見と関係ないのなら、
俳優の人種について作為を持ち込む
必要もまたないのではないだろうか。
自然にフランス人らしく見える人を
使えばよかったと思う。
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もっともそういうことを言い出せば、
醜い野獣が最後に美しい王子に戻る
というのがそもそも原話のメッセージに
沿わないという気もしてくる。
野獣は醜いままで、ヒロインはその醜い
男を夫として受け入れてこそ教訓は
説得力をもつのではないだろうか。
子どもに現実を教えるにはそれが
正当だと私は思うが、しかしそれでは
“夢”がなく、”お話”にならないので、
映画にもできないということもわかる。
そうであればアフリカ系の俳優たちも、
ラストでは野獣の変身と同時に白人に
変化するということにしても面白かった
のではないだろうか。
(1199字)
どうです?
さすがによく書けていると
思いませんか?
これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、ところどころ
つまみ食いして、自分らしい文章に
変えて使ってもらうのはかまい
ませんよ~;^^💦
もっと短い字数で要求されている
場合は、あらすじを書いているところ
とか、必要なさそうな部分を切り捨てて
スリム化してください。
逆にもっと字数がほしい場合は、
自分の経験や考えをどんどん入れて
膨らましていけばいいわけです。
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父親からの離脱と同時に…?
ん? これじゃあやはり純粋な読書感想文といえないから、やはり
映画からの情報は抜きにして書きたい?
そうですねえ、それなら…
ヒロインと父親との関係に注目
してみてはどうでしょうか。
映画でもベルは父親を深く愛して
いることがよくわかりますよね。
原作でもそうで、こちらでは姉が2人
いて、その2人と対照されることで
父への強い愛がいっそう強調されます。
この点に注目すると、このドラマは
《はじめは醜く恐ろしく見えた男性への
愛に徐々に目覚めることで、親からの
呪縛を解かれる娘の物語》として
読むこともできてきます。
つまりベルは野獣の許可を得て、父を
助けに村へ戻りますが、たとえば
心理学者ブルーノ・ベッテルハイムは、
この展開を「父親との繋がりが弱まり、
愛が野獣に移ったことのシンボル」
と見ています。
こうして父との結びつきを断ち切って
はじめて「以前はいとわしいもの
だった性が、美しく見えてくる」
というのですね。(『物語の魔力』)
同意するにせよ、しないにせよ、
この解釈を我が身に当てはめて考察
してみるというのも、感想文を書く
ためのヒントになってくるでしょう。
実は『美女と野獣』の映画化は同じ
ディズニーのアニメ版(1991)を含め、
これまでに何度も映画化されている
のですが、それらの中でも、今回の
エマ・ワトソンは特に深く父を愛する
ように演出されていたと思います。
父親役の俳優さんがかなりの(元)イケメン
だというのもそれに関わるん
でしょうね;^^💦
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この点について(あるいはそのほかの
ポイントでも)確かめたいという人は
ぜひ映画『美女と野獣』の比較を
試みてください。
まず新しいところでは、宮崎駿監督の
影響を公言しているクリストフ・ガンズ
監督による『美女と野獣』(フランス・
ドイツ合作(2014)。
予告編をどうぞ。 👇
・マレー主演の古典的名作(1946)。
ここではガストンは善玉で王子役
マレーの一人二役なんですね。 👇
それから1991年のディズニー・アニメ、
2017年のエマ・ワトソン主演の実写版……
へと続きます。
異類婚姻譚
『美女と野獣』の物語に流れているテーマとして《父親(あるいは家族)
からの離脱》というものもあることを
指摘してきましたが、さらにもう一つ
忘れてならないのが…
この物語が「異類婚姻譚」だという
ことですね。
つまり人間と人間でない存在(もともと
人間だったり、あとで人間になったり
するものを含めて)との恋愛、結婚…。
「鶴女房」「たにし長者」など日本にも
結構ありますが、ヨーロッパはもっと
多かったようで、たとえばグリム童話の
「カエルの王様」なんていうのも
それですよね。
カエルに求婚された王女がカエルを
嫌って壁に投げつけると、それが
美しい王子様に変身します。
これら異類婚姻譚は恐怖とないまぜの
ロマンティックな好奇心をそそり、
人々を惹きつけてきました。
👉「異類婚姻譚」系の物語については
こちらで情報提供していますので、
ぜひ覗いてみてください。
・童話 人魚姫(アンデルセン)のあらすじ💛本当は怖い恋物語
・小泉八雲の怪談 雪女のあらすじ⛄破局を呼び込む”宿命の女”?
・異類婚姻譚(小説)💛本谷有希子💛芥川賞受賞作のあらすじは?
ともかく、『美女と野獣』のキモが
《ほとんど人間と思えないほど醜い
男をどのように愛し始めるか》という
ところにあることはたしかでしょう。
この意味では同じメッセージを伝える
のに、男は必ずしも「野獣=異類」
である必要はありませんね。
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れっきとした人間であってもかまわない
わけで、この系統の「野獣的な男」の
物語が、たとえば「青髭」ですね。
👉その「青髭」をはじめ、恋愛や結婚に
かかわる教訓を含んだ童話なら、こちらで
ふんだんに情報提供していますので、
ぜひ覗いてみてください。
・青髭(童話)のモデル ジル.ド.レの実話とあらすじ(ペロー/グリムの違い)
・シンデレラのガラスの靴:小ささの意味は?原作は中国起源?
・白雪姫は怖い?こんなに違う原作(グリム童話)とディズニー映画
・赤ずきんのあらすじ: グリム童話とペロー童話でどう違う?
・赤い靴(アンデルセン童話)原作のあらすじ:怖いのはどこ?
・雪の女王(アンデルセン)のあらすじ💛アナ雪”原作の怖い童話
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まとめ
さて読書感想文ですが、もう大丈夫ですよね。書けそうなことはあちこちに転がって
いるでしょう。
上記で提案したこととしては、
たとえば…
- 人種問題(ディズニー映画
とのからみで) - 家族(特に父親)から夫への
愛の移動 - 異類婚姻譚の問題
- 人の見かけ(特に顔)と
心(性格)の不一致
さあ、これでもうOKですね、読書感想文。
ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…
だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?
う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦
そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。
各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。
だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。
さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんの早道。
こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。
・読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から
・セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ
・アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ
そちらで解説している「書き方」を踏まえて
当ブログでは多くの感想文例を試作し
提供してきましたが、このほどそれらの
成果を書籍(新書)の形にまとめることが
できましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
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という人は、こちらでどうぞで。
・読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!
👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事のほんの一部
でして、載せきれていない記事もまだまだ
沢山あります。
気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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